1月27日に開かれる臨時取締役会とその後に開かれる記者会見が大注目のフジテレビ。2023年6月に中居正広氏が起こした女性トラブルで、局の企業スポンサーがおよそ半分撤退し、自身が引退する最悪の事態となったことは周知の事実。戦火は今後も拡大の様相を呈しており、スポンサーへの返金はすでにはじまっているものの、損失利益は500億円を超えるといわれている。
23日には全社員を対象にした説明会が開かれ、社員から上層部に対する不満が爆発した。大手新聞社のベテラン記者がいう。
「現役局員は怒り心頭。『子どもが学校でいじめられている』『高齢の父親から“お前の会社は大丈夫なのか?”と心配されている』『ボーナスが出なかったら住宅ローンが払えない』など、嘆き節のオンパレード。もっとも深刻なのは現場の制作スタッフたち。番組のコーナーが打ち切られたり、街ブラロケの許可が下りなかったり、撮影シーンの差し替え要請が続いたり。系列局の関西テレビまで撮影予定場所から断られている」
1月13日にスタートした月9ドラマ「119 エマージェンシーコール」は、119番通報を受けて救急車などを緊急出動させる指令管制員を描く物語。横浜市消防局が全面協力していたが、この件を受けて即刻、ドラマとのタイアップPRポスターの配布を中止した。「ミュージックフェア」は塩野義製薬の単独スポンサーだが、25日に放映された回は社名ロゴこそ表示されたが、CMはACジャパンに切り替え。今後は社名表示の削除を検討している。翌26日に放映された「くいしん坊!万才」もキッコーマンの1社提供のため、見送り。大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は、フジの関連イベントの中止を検討している。
そんな中、中居氏がもっとも恐れていた惨事が起こった。元SMAPメンバーの香取慎吾に火の粉が降りかかったのだ。香取は現在、11年ぶりとなるフジ系主演連ドラ「日本一の最低男※私の家族はニセモノだった」に出演中。予定されていた都心部の撮影先からNGを食らったのだ。
「連ドラはそれでなくともハードでタイトなスケジュールなのに、この一件があって“飛んだ”のです。慌てた制作陣は文字通り血まなこで受け入れてくれるロケ先を探し、ようやく東京の端のほうの某場所が受け入れてくれた。フジでは今、同じ事案が多発中。代替となる撮影場所として、社屋内のスタジオ、湾岸スタジオが飽和状態になっているとか」(前出・ベテラン記者)
中居氏が命を懸けてまで守りたかったSMAPは、16年に解体。ここから崩壊のカウントダウンがはじまり、19年に恩師のジャニー喜多川氏が逝去して、20年に独立。23年に女性トラブルを起こして、昨年末に週刊誌報道ですべてが明るみに出た。ついに愛すべきSMAPにまで泥を塗ってしまった元国民的マルチタレント。本当の正念場はここからか。
(北村ともこ)