Q:3歳10カ月の娘が雨なのに「自転車で遊びに行く」と言って聞かないので、一度は外までついて行き、曲がり角のところで帰ろうと言ったのですが、今度は家と反対方向に行くので「ママ寒いから先に帰っちゃうよ」と言ってもあきらめません。そのうち大声で泣き出したので「もう帰ってこなくていい!」と叩いてしまいました。夫が慌てて娘を連れ戻し、私に向かって「あんなに泣かすことないだろう」と、怒鳴りました。悔しくて泣いていると、娘は謝りにきたのですが、夫の言うことだけを聞く娘との接し方がわかりません。
A:まず、このお母さんは、雨なのに外へ遊びに行きたいという理由を子どもから聞いていません。もしかしたら、「友達との約束を守りたいから」など、何か理由があったのかもしれませんよ。子どもは親から「雨が降っているのに、どうして行きたいの?」とたずねられない限り、みずから理由を説明することはできないのです。
そして、この子はとてもいい子ですよ。後になって謝りにくるなんて、大人でもなかなかできないことです。このような子どもに育ったことを幸せだと思えれば最高ですね。そして、こんなにいい子を授かった自分は幸運だと思ってもらいたいのです。
小さな子どもでも、その行動にはなんらかの理由があります。寒い季節、雨の中でも自転車に乗りたいという子どもの行動は、大人からすると常識外れだと思うかもしれません。
でも、だからこそ理由があるのではないでしょうか。それを訳も聞かずに叩いてしまったのは、やはり間違いでした。
“夫にばかりいい顔をする”のは、自分をわかってくれる存在、味方になってくれる存在と認識しているからです。家事に育児と、余裕がない中で子供に対する細やかなケアをするのは大変ですが、疑問を持ちたくなる行動にこそ、子どもの性格や特徴が表れるものです。その小さな成長の芽を、見逃さないようにしたいですね。
(監修・ストレスケア日比谷クリニック 酒井和夫院長/取材・文 李京榮)