最近、インバウンドブームで京都の観光業が活況を極めています。結果、ホテル業同士の闘いも熾烈を極めているんですね。
京都の観光業組合は、1泊500~1000円の宿泊税を、1万円に引き上げるという強気な姿勢を見せています。いやぁスゴい、スゴすぎる。旧知のホテルも軒数を増やそうと精力的な展開を進め、新ホテルがOPENするとのこと。
京都のオフィス街・烏丸御池の北西に位置する、その高級ホテルの「プレオープン」で、朝食のご相伴に預かることと相成りました。私が体験した、極上の豪華さ、味を以下、レポートいたします-。
まだ誰も宿泊したことのないホテル内の朝食提供を行うレストランに通された筆者の眼に、まずブレックファーストのメニューが飛び込んできて驚いた。焼き魚と豆腐の豆乳炊き、八寸とおひつに入った炊きたてのご飯しか知らない、温泉フリークの筆者を唸らす逸品ばかりでした。
ほほう、朝から近江牛のあぶりとすき卵、鯛の刺身、厳選米を使った土鍋ごはん、そしてデザートまで…。フルコースじゃないか。いやはや、驚きに満ちた筆者をあざ笑うかのように調理人が手元を動かしている。素材選びに調理法、味のバランスまで手を抜いていないことが容易にわかります。広い厨房から次々と生まれる料理。食べてみたいと思いましたよ。完敗です。
米が炊け、自家製のパンが焼きあがるアラーム。この音も、オープン日には聞こえてこないようにするといいます。1人前の大皿に盛りつけられる料理の数々。美しいんだ、これが!
すき焼き風の味付けの近江牛。醤油と砂糖が焦げる香しい匂い。添えられた野菜が昨今のベジファースト至上主義のテーブルを演出する。その香りと見た目に、筆者もヨダレを誘われそうになりました。もうすぐ、もうすぐ、そろそろ仕上がる―。
そして、あぶり牛肉をトーストの上にのせてたちまち完成。あふれる肉汁を吸ったパンがうまそう。とりあえず、テーブルの上に並べられたみそ汁を啜る。いい、味に深みがある。それからご飯に手を伸ばす。こちらも総合的にバランスが整っている厳選米をパクリ。うまいですよ、これは。
サラダを口に運んで、流行のベジファーストを守って、次は香の物。そして、待望のメインディッシュをガッツリ。卵をよく溶き、お肉をくぐらせれば、もう朝食を通り越して、給料日2日後に行く奮発したランチです。
肉汁まみれのトーストも口中を幸せにします。我慢できぬと白米を口の中に放り込み、みそ汁で流し込むとあっという間におかわり。至福の時間ですね。もう1杯のご飯を残りのおかずで平らげ、ご馳走様でした!
このように京都では、朝食から、バイキング方式、パン食べ放題、ローストビーフ食べ放題、ラウンジで飲酒が無料、オードブル食べ放題など、アイデアを凝らした料理を振る舞うホテルが増えています。あなたも京都のお得なプランを掲げるホテルを探して、1泊いかがですか? 日常の疲れを取り除いてくれるお宿があるので、予約してみてください、ぜひ!
(丸野裕行)
●プロフィール
まるの・ひろゆき:ライター、脚本家、特殊犯罪アナリスト。1976年、京都市生まれ。フリーライターを生業としながら、求人広告制作会社のコピーライター、各企業の宣伝広告などを担当。ポータルサイト・ガジェット通信では連載を持ち、独自の視点の記事を執筆するほか、原作者として遠藤憲一主演の映画「木屋町DARUMA」を製作。文化人、タレントとしてテレビなどにもたびたび出演している。