令和ロマンの髙比良くるまが、メディアから姿を消した。令和ロマンといえば、結成15年以下の漫才日本一決定戦「M-1グランプリ」で史上唯一2連覇(23年&24年)を達成した若手のトップ。テレビ番組より、所属する吉本興業が運営する全国の劇場を優先してきた“漫才師のカガミ”とあって、同僚からリスペクトされている。
そんな矢先に発覚したくるまの違法オンラインカジノ。報道を受けて令和ロマンが今月15日にYouTubeチャンネルを更新。くるまは、2019年末に大学時代の知人から誘われて、海外の口座から送金、「違法ではないという説明を受けた」ために、20年末まで続けたことを認めた。わずか1分40秒ほどの動画は、2日間で300万再生に迫る勢いで視聴された。M-1戦士が犯した失態とネットカジノに潜む危険性を情報・ニュース番組が取り上げ、くるまはレギュラー番組と舞台の出演が、「見合わせ」となっている。
相方の松井ケムリは17日、Podcast番組「令和ロマンのご様子」を更新。冒頭でくるまの騒動を謝罪して、Xで多く見られるポストに触れて、「この件に関して、火のないところに煙は立たないって書いている人が多すぎる。オレだし、ケムリは」と笑いに変えた。お笑い雑誌のライターは言う。
「番組差し替えやステージ降板で迷惑をかけていることは事実ですが、芸人仲間やお笑いファンでくるまさんを批判、誹謗している声はあまり聞きません。M-1の連覇後も、漫才師として板の上に立つことを最優先している真摯な姿勢が、その理由。さらにこの騒動に関しては、自己メディアであるYouTubeを通じて事実を認めた対応力、そのスピード性を評価する声さえあがりました」
吉本が公式サイトで、所属タレントの「コンプライアンス違反の疑い」を報告したのはさる2月5日。このタイミングで警視庁が、ダイタク・吉本大と9番街レトロ・なかむら★しゅんを任意で事情聴取したことが判明。捜査関係者への取材で、「10人弱から任意で事情を聴いている」ことも明らかになると、くるまととろサーモン・久保田かずのぶがステージと番組の出演を見合わせる事態に発展。くるまだけは関与を認めたが、吉本、なかむら★しゅん、久保田は自身の口で語ることなく、表舞台から姿を消した。
「今後さらに、関与が疑われる芸人が出てくるでしょう。現時点ではくるまさんのバカ正直さが抜きん出ていて、仕事がゼロでも批判もゼロという謎の現象が起こっています」(前出・雑誌ライター)
18日深夜に放映予定だった久保田とウエストランド・井口浩之による「耳の穴かっぽじって聞け」(テレビ朝日系)は、「森香澄の全部嘘テレビ 傑作選」がその穴を埋める。19日深夜に予定されていたくるまと永野の「永野&くるまのひっかかりニーチェ」(テレ朝系)は、「新日ちゃんぴおん!傑作選」が代替番組に。令和ロマンは3月いっぱい、ルミネtheよしもとの休演が決定。このピンチをどう乗り切るか。M-1王者の正念場はこれからだ。
(北村ともこ)