今年こそ行こうと思っている店。実は昨年は、その課題を1つクリアできた年でもありました。
僕は、有名な観光地や景勝地というわけではなく、大きな公園や川沿いにポツンと建っていて、ラーメンとか焼きそばみたいな簡易的な料理をつまみにお酒が飲める茶屋のような店を「天国酒場」と総称し、巡ることをライフワークとしています。かねてから、その大ボスのような存在が京都にあるとは聞いていました。それが「琴ヶ瀬茶屋」というお店なんですけどね。
立地的には、京都の有名な観光地である嵐山の桂川沿いで、先ほど書いた条件からは多少外れてしまう。けれどもなんとここ、川沿いの岩場の上にごく簡素なお座敷が組み立てられていて、しかも対岸から手漕ぎボートで行くという(もちろん、陸地から行くルートもあります)、かなり特殊なシチュエーション。すでに何度も訪問経験のあるスズキナオさんに案内してもらって訪れたのですが、いや~、まさに衝撃体験でした。行ったのは真夏の盛りで、ボートを漕いでいると滝のような汗が流れてくる。が、川辺のお店にたどり着き、よく冷えた瓶ビールを飲んでいると、徐々に涼やかな気分になってきます。
つまみもシンプルで、「売店船」と呼ばれる調理場の付いた船で焼かれた「イカ焼き」や「ところ天」「きゅうりの一本漬け」を食べたくらいなんですが、どれもこれもやたらとうまいんですよね。あれは本当に、夢のような体験だったし、やっと訪問できたという感慨も、大変深いものでした。
さて、そして令和7年。当然全国各地に行ってみたいと憧れている酒場はいくつもあるんですが、その中で今年目標とすべきお店はどこかな~。まだ行けていない有名老舗酒場にも、北から南まで1つ1つ巡ってみたいし、数年行けていない大好きな沖縄でもまた飲みまくりたいし、同じく大好きな静岡の名酒場「金の字」のもつカレーや、甲府「どてやき下條」のどてやきも久しぶりに食べたい。あぁ、酒の課題に対して、人生の時間が限られすぎている…。
あ、それからもう1つ思い出しました。最近僕、俳優の東出昌大さんのYouTubeチャンネルにどハマりしていまして。内容は主に、東出さんが暮らしている山小屋が舞台。そこで、自分で狩猟したり知り合いの漁師さんに分けてもらったりした、鹿、熊、猪、アナグマ、などなどのジビエを中心に、あれこれ料理して食べるというだけなんですが、それらがどれもおいしそうなんですよね~。でまた、東出さんが実にうまそうに食べるし、酒を飲む。そもそも、信じられないくらい料理が上手なんですよ。たまにそこに集まった友人知人の方に「で、『東出食堂』はいつ出すんですか?」なんてからかわれているくらい。
基本的にすごく平和なチャンネルなのですが、時に野生動物を解体するかなりショッキングな映像があったりもします。苦手な方は要注意とお伝えしつつ、興味がある方はぜひ一度、見てみてください。
というわけで、そもそもまだ実在すらしていないので限りなく夢物語に近いですが、今年こそ行ってみたいのは「東出食堂」かな~。みなさま、僕の夢実現に向けた応援、何卒よろしくお願いいたします!
さて次回のテーマ。付き合いは長いものの、ナオさんがよく見ているかどうかすらあまり聞いたことがなかった「酒とYouTube」でどうでしょうか?
パリッコ:酒場ライター。著書に「酒場っ子」「天国酒場」など多数。スズキナオ氏との酒飲みユニット「酒の穴」としても活動している。「パリッコの都酒伝説ファイル(2)」が発売中!