Snow Man・目黒蓮が主演を務める劇場版「トリリオンゲーム」が、大ヒットしている。同作は、同名漫画が原作で、2023年にドラマ版「トリリオンゲーム」(TBS系)が放送。目黒演じる主人公・天王寺陽(ハル)と佐野勇人演じる平学(ガク)が、嘘やハッタリを武器にビジネスの世界で成り上がる痛快な物語だ。今回は、ドラマからストーリーが続く劇場版。週末観客動員数ランキングで2週連続1位を獲得している。ただし、実際に映画を観たスポーツ紙記者は現実的な視点も職業柄持ち合わせているせいか、こんな感想を述べる。
「劇場版は、日本初のカジノリゾート開発がテーマなんですが、あまりにトントン拍子でカジノができあがる脚本に少々違和感を覚えましたね。日本では大阪で2030年にIR(カジノを含む統合型リゾート)が開業する計画が進んでいますから、本来なら10年以上の年月をかけて作り上げるもの。それが映画ではサクッとできあがります。漫画が原作ですから、仕方がない面もありますし、そこが醍醐味ということはもちろんあると思いますが」
確かに、映画レビューサイトでは、大絶賛コメントに紛れ、一部批判的な意見も。また、目黒の演技について厳しい評価も散見された。目黒といえば、ドラマ「silent」や「海のはじまり」(いずれもフジテレビ系)で演技力は認められているはず。なぜ劇場版「トリリオンゲーム」では、そうならないのかを民放関係者がこう分析する。
「あまりに目黒が目立つ演出なんです。どの場面でも目黒がカッコよく映ることが第一という感じで、共演者の佐野勇斗や今田美桜の出番がドラマ版に比べて極端に少ない印象。目黒ファンはいいでしょうけど、そうでない人にとっては、ちょっとくたびれる演出です」
今や国民的人気の目黒だけに、ビジネス的には正しいのかもしれないが、
「せっかく演技力が開花している目黒が、所属事務所の先輩である木村拓哉の轍を踏まなければと思ってしまいます。キムタクといえば、過去には主演でありさえすれば大ヒットという感じだったので、長く同じような役柄や演技が続き、ついには『何をやってもキムタク』と呼ばれ、演技が評価されにくくなっています。目黒はドラマでは様々な役を演じ、自然体の演技もしっかりと見せていますから、軌道修正はまだまだ可能。次回はもっと表現力の幅を見せられる作品を期待したいですね」(前出・民放関係者)
今後はこれまでのイメージを覆す、アッと驚くような役柄にも期待したい。
(渡邊伸明)