Q:1歳6カ月の一卵性のツインズのママです。姉の方は愛想がよくて、誰から手を差し伸べられても抱かれようとしますが、妹は人見知りなのか知らない人が手を出しても私にしがみついて離れません。同じように育てているつもりなのに、2人の性格はまるで陰と陽の印象があります。笑顔をふりまいているのも姉のほうなので、自然と人から可愛いと言われます。でも妹は知らない人を拒絶するので、あまりかまってもらえません。親としてはこの先、学力でもなんでもなるべく2人に差が出ないように成長してほしいと願っています。でも、すでに差がついているような感じで不安です。
また、同じ歳の子どもと比べて、言葉が遅いように思います。2人で遊んでいるときは、おしゃべりをしているように見えるのですが、会話を聞いているとまったく意味不明です。2歳になったら保育園にあずけて仕事に出ようと思っているのですが、他の子供とちゃんと遊べるのか心配です。
A:“一卵性だから、何でも同じ”というのは大きな間違いです。まずは、まったく違った個性を持った1人であると認識してください。
この先も、成長するにしたがって、2人の個性はそれぞれに伸びていきます。学校へ行くようになれば、好きな教科も違ってくるでしょうし、友達との付き合い方も別になるでしょう。好きな色、好きなファッション、好きな髪型なども違ってくることはあります。
親としては、それぞれの個性を尊重し、それぞれの特性を伸ばしてあげるよう考えたいところです。
テレビ番組などで、一卵性の双子のミステリアスな逸話も目にするでしょうが、それが本当だったとしても、すべての双子に当てはまることではありません。双子だと思わず、同じ歳の2人の姉妹なのだと思って、違いを受け入れながら育ててあげてください。
言葉の発達についてですが、確かに双子には2人だけの意思疎通法があるようです。他にも同じような悩みをよく聞きますが、たいていは公園や保育園などで、同年齢の他の子供と接するようになると、コミュニケーションが自然と図れるようになるので安心してくださいね。
ここで、ある一卵性姉妹の話をしましょう。
姉はとても社交的で赤ちゃんのころから人見知りをしない子でした。でも、妹は以前に会ったことのある人でも、ある程度の時間接しないと抱かれようとはしないほど人見知りをする子供でした。
成長して学校へ行くようになると、ますます2人の個性ははっきりと違いをみせました。姉は誰とでも仲良くという考えで、妹は2、3人の友人と深く長く付き合うタイプでした。勉強に関しても、姉は国語や音楽が好きで、妹は算数や理科が好きでした。成績は妹がトップクラスなのに対し、姉は中くらいでした。
ファッションについても、姉はフリルのついた明るい色のかわいらしいデザインを好みましたが、妹は落ち着いた色みのシンプルなものが好き。
性格も服装も得意な教科も違う2人でしたが、姉妹の仲はとてもよい関係で、互いの苦手な学科を教え合っていました。双子でも三つ子でも同じ日に生まれただけのことで、やはり独立した1人1人の子供なのだということを、どうか忘れないでください。
(監修・ストレスケア日比谷クリニック 酒井和夫院長/取材・文 李京榮)