高橋海人「君の顔では泣けない」での演技を大ヒット映画監督が高評価「ありがちな欠点がない」
上映中の映画「君の顔では泣けない」が好評だ。アイドルグループ・King & Princeの高橋海人と女優・芳根京子がダブル主演を務める。高校1年生の男女がプールに落ちたことをきっかけに体が入れ替わる、いわゆる「男女入れ替わり物」だ。
このジャンルは、小林聡美と尾美としのりの映画「転校生」(1982年)に端を発し、綾瀬はるかと高橋一生が演じたTBS系ドラマ「天国と地獄~サイコな2人~」(2021年1月期)も記憶に新しい。ただ、これらの作品には共通の課題があったと指摘するのが、「私をスキーに連れてって」「彼女が水着にきがえたら」「波の数だけ抱きしめて」などを手掛けた映画監督で著述家の馬場康夫氏だ。
馬場氏は自身のYouTubeチャンネル「ホイチョイ的映画生活~この一本~」(12月9日付)でこう語っている。
「(『転校生』が)何といっても素晴らしいのは、小林聡美と尾美としのりの演技ですね。2人は絶賛され、この映画以降、男女の入れ替わり物は“役者の演技力の見せどころ”と言われるようになりました。ただ、入れ替わる前の小林聡美は男勝りの乱暴な性格だったのに、入れ替わった後の尾美としのりは、うまいことはうまいんですけど、しおらしい女性的演技をしているのが人格が変わっちゃった感じで、気になるといえば気になります。この問題は『天国と地獄』の綾瀬はるかと高橋一生、この2人もめちゃめちゃうまいんですけど、同じことが言えるので、男女入れ替わりの共通の問題点なのかもしれません」
しかし、馬場氏は「君の顔では泣けない」について、次のように評価している。
「入れ替わり物にありがちな、女性になった方の男優の演技が濃すぎてキャラクターが変わっちゃうという欠点も、この映画にありません」
高橋海人は、日本テレビ系ドラマ「だが、情熱はある」(23年4月期)でオードリーの若林正恭役を演じて話題になり、「第116回ザ テレビジョン ドラマアカデミー賞」主演男優賞を受賞している。別人に“なり切る”ことに定評がある高橋だけに、今回の繊細な入れ替わり演技も“お手のもの”といえそうだ。
(所ひで/YouTubeライター)
