車の後部ガラスに貼られたステッカー広告を見たことがあるだろうか。俺も最近、街で見かけて気になり調べてみると「チアドライブ」なるサービスらしい。個人の車に貼ると広告料が支払われる仕組みだ。我が家にも3万円で買った20年落ちのマイカーがある。広告を貼るだけでお小遣いがもらえるなら、試してみたいぞ。
善は急げと、チアドライブのアプリをインストールして登録する。しかし、すぐに利用開始できるわけではないようだ。月に1、2回程度ある抽選に応募しなければならない。ひとまず現在募集中であるラジオ番組の広告に応募しておいた。
晴れて当選の連絡が届いたのは1週間後。おそらくは応募すれば高確率で選ばれるのだろう。続いて、ステッカー広告も自宅宛に到着した。広告は決められた約1カ月の間、貼り続けねばならず途中で剥がすのはNGだ。報酬は1㌔走行あたり3円分のポイントで、付与対象は走行距離1000㌔が上限となる。つまり最大で3000円だ。利用回数などに応じてランクアップし、1㌔あたり5円まで上がるらしい。早速、リアガラスにステッカーを貼っていると、近所の住人からチラチラ見られて恥ずかしい。あとはアプリで車の外観や走行距離を写真撮影する。これでスタートだ。
たまたま遠出が続いた。取材仕事や旅行の予定があり、北関東や伊豆も訪れて走行距離が伸びる。周囲の視線が気になるのも最初だけで、すぐに慣れた。外から見ればキレイに印刷されたステッカーだが、小さな穴が空いており車内からは後方の視認性も全く問題ない。1カ月間の走行距離はポイントがもらえる上限の1000㌔をわずかに超えた。終了時点も改めてアプリで写真撮影して申請完了だ。3日後、無事3000円分のポイントが付与された。ただし銀行出金には300円分のポイントが差し引かれるため、取り分としては2700円だ。金額は大したことないが、高騰しているガソリン代を少しでも取り戻す一手としては有効だと感じた。
和田虫象(わだ・むしぞう):1980年生まれ。専門学校卒業後、芸能活動をするも芽が出ず、底辺ライター兼便利屋に。ニート気質ではあるが「きっついお仕事」「俺の旅ーニッポン縦断強制放浪」(いずれも鉄人社刊)の著書がある。