俳優の奈緒と松田龍平がダブル主演を務めた「東京サラダボウル」（NHK）が、3月4日に最終回を迎えた。このドラマは、漫画「東京サラダボウルー国際捜査事件簿ー」が原作で、在日外国人を取り上げた作品。奈緒が国際捜査班の警察官・鴻田麻里を担当し、松田はワケありの中国語通訳人・有木野了を演じた社会派エンターテインメント作品となった。ドラマが最終回を迎えると、多くの視聴者がSNSで続編を期待するなど、冬ドラマでもっとも注目を集める作品のひとつとなっている。
「在日外国人たちが巻き起こす事件がリアルに描かれ、奈緒と松田の演技も見事でした。刑事ドラマとしてはアクションシーンもなく派手さはなかったが、その代わりに社会の底辺で翻弄される在日外国人の姿が痛々しいほどに活写されていました。NHKらしくしっかり制作され、冬ドラマでは一番の出来栄えだとの評価です」（スポーツ紙記者）
そんな「東京サラダボウル」奈緒と松田以外にも、三上博史や皆川猿時など演技派俳優が多数出演。また、作品には変わった芸人がゲストとして登場し、パンサーの尾形貴弘やランジャタイの国崎和也などが演技を見せ話題を集めた。
そんな中、どの出演者よりひときわ異彩を放っていたのが、一発屋芸人のコウメ太夫だ。コウメ太夫は、今回の「東京サラダボウル」には蕎麦屋の店主役で登場。バラエティ出演の際の独特な白塗りメイクはせず、素顔で渋い演技を披露してSNSでは「不器用だけどいい人の感じがよく出てる」「いい味出してる」と高評価を得た。「今回のドラマ出演で、今後、コウメ太夫に俳優の仕事が増えそうです」と、前置きして、テレビ局関係者がこう話す。
「コウメ太夫は、バラエティではスベリキャラっぽさが持ち味なのと対照的に、素顔はイケメンで意外というと失礼ですが、演技もできる。過去には、なにわ男子の大西流星が主演を務めた『紅さすライフ』（日本テレビ系）でも、怪演を披露して話題になりました。ここ最近では、放送中の『ホットスポット』（日テレ系）で準主役を務める東京03の角田晃広のように、芸人がヒットドラマに出るのが普通になっていて、今期の冬ドラマにも数多くの芸人が出演していますが、中でも一番インパクトがあったのがコウメ太夫で、他局のプロデューサーも使ってみたいと考えているようです」（民放関係者）
芸人としては再々ブレイクは微妙でも、50歳を超えて今度は俳優として花開くのかも。
（渡邊伸明）
