Q:3歳半になる女児のママです。正直に言いますと2人きりのお家遊びが苦手です。相手ができるのはせいぜい30分くらいでしょうか。公園などで遊んでいるときはいいのですが、家にいると掃除やらなにやらが気になって、いろいろやりたいことが浮かんできてしまいます。そんな時、娘には絵本やおもちゃを与えている間に家事をしています。娘は泣いたりするわけではなく1人で遊んでいますが、相手をしてあげられずかわいそうな気もします。
また、2歳から保育園に通っているのですが、初登園の日もちょっとベソをかいただけで、大泣きするということはありませんでした。私の愛情が足りないのではないかと不安です。
A:まず、たとえ親子であっても、なんとなく気が合わない、愛せない、好きになれない、という相性のよし悪しはあるものです。
でも、ご相談者は、外遊びは一緒にするし、家事の合間に30分も相手をしているし、娘さんも不満はないように思います。1人遊びも上手にできている子供のようですね。お母さんの後追いをしないのは、お母さんを信頼し安心しているからなんです。つまり、親からの愛情はちゃんと子供に伝わっていているからこそ、1人遊びができるんです。
大人に大人の時間があるように、子供にも自分の時間はあります。1人遊びは娘自身の時間、と考えれば、罪悪感もなくなるでしょう。
また、30分は相手をしてあげられるのなら、そのときに思い切り遊んであげてください。本が好きならば、読み聞かせの時や好きな番組やDVDを観るときに、膝の上に乗せて観るなど、スキンシップを大切にしてください。とにかく、相手は親の手助けを必要としている小さな子供です。2人きりの遊びが苦手でも、やさしくしてあげよう、手助けしてあげようという気持ちで接していれば、十分に愛情を注いでいるといえるのではないでしょうか。
初登園の日に後追いや大泣きしなかったのも、お母さんに対する絶対的な信頼があるからです。いったんは離れても、時間が来ればお迎えに来てくれると信じているからです。相談者の方は“子供の相手は苦手”と思っているのかもしれませんが、娘さんはそのように感じていないようです。逆に大泣きする子供は母親に置き去りにされたような大きな不安でいっぱいになっている状態で、これは、普段から愛情面で満たされていないことのほうが多いのです。
どうか心配しないでください。今までどおりの子育てで娘さんは満足していますよ。
(監修・ストレスケア日比谷クリニック 酒井和夫院長/取材・文 李京榮)