アーセナルに所属する日本代表DF冨安健洋に対し、スペインの名門バルセロナが興味を示しているようだ。2021年にアーセナルに加入した26歳の冨安は、26年6月まで契約を結んでいるが、近年はたび重なるケガに悩まされており、現在も長期離脱の真っただ中。好調を維持するチームに貢献することができておらず、その去就に注目が集まっている。
今シーズンは、開幕前の負傷により帯同に出遅れ、10月の復帰戦でも再び故障。その後の手術で長期離脱を余儀なくされ、復帰は今年の12月頃になる見込み。2024-25シーズンの出場時間はわずか6分と、厳しい状況に置かれている。
そんな中、スペインのサッカーメディア「Fichajes.net」は、バルセロナが冨安の獲得を検討していると報じた。それによると、バルセロナはすでに来季の補強プロジェクトを始動しており、特に右サイドバックの強化がスポーツ部門の優先課題とされている。現在の同ポジションは、クラブにとって長年の課題であり、安定した守備力を提供できる人材が求められているという。
同メディアは、バルセロナのスポーツディレクターであるデコ氏が、冨安に注目しており、その実力を確認するため、クラブからロンドンへ視察団を派遣したと説明。冨安はプレミアリーグで素晴らしいパフォーマンスを見せてきた実績があり、バルセロナとしても比較的安価な移籍金での獲得が可能ではないかと見込んでいるようだ。
また、冨安の魅力は守備能力だけではない。本職の右サイドバックに加え、センターバックや左サイドでも対応できるユーティリティ性を備えており、バルサを率いるハンジ・フリック監督もその柔軟性を高く評価しているという。このマルチプレイヤーとしての才能が、バルセロナにとって非常に価値あるオプションとなる可能性がある。
「日本人としては非常に興味をそそられる移籍のウワサではありますが、現時点で実現の可能性は30%~40%ほどではないでしょうか。というのも、冨安はシーズンを通してコンディションを安定させることがしばらくできておらず、アーセナル加入以降、負傷による離脱が多く、今季の出場もわずか6分。バルセロナのように年間でかなりの試合数をこなすトップクラブにとって、継続的にピッチに立てる選手であるかどうかは、契約する際の最重要項目でもあります。その点で冨安は“才能と実績は申し分ないが、リスクも高い選手”と評価されている可能性が高いですね。一方で、彼の守備的なクオリティやユーティリティ性は、バルサにとって確実に魅力的な要素ではあります。現在のバルサは右サイドバックに安定した選手を欠いており、本来センターバックのフランス代表DFジュール・クンデを右に回している状況。冨安のように、戦術的な理解度が高く、1対1のフィジカルも十分な実力がある選手は重宝される可能性が高く、今後の展開を見守りたいところですね」(スポーツライター)
また、残り契約年数が今夏で1年を切ることから、インフレが続くサッカー界にあって、比較的安価に獲得できるという点は仮にケガをしがちであったとしても、大きなメリットだと言える。
すべてが順調に進めば、日本が誇る大型DFはサッカー選手なら誰もがうらやむ世界的名門クラブの一員となれるかもしれない。
(木村慎吾)