“コトダマ顔”は、強烈なインパクトをもって迫ってきます。“晴ことば”の“コトダマ(言霊)顔”は、狙い通りの「幸せの“コトダマ効果”」を自分自身にもたらします。
■“晴ことば”で“幸運”の呼び込み
昔から私たちは“晴ことば”の“コトダマ効果”を使ってきました。「“晴ことば”で“晴顔”を呼び出し、“晴顔的現実”を出していた」のです。たとえば昔の人は、悪いことに出会った時に「つるかめ、つるかめ」と言って、“めでたい言葉”で災い封じ、縁起直しをしました。
■“晴ことば”は、現実を好転させる“強力なパワー”を持っている
実際にやってみましょう。あなたが声を出せる環境にある時(電車の中や学校や会社ではムリでしょうが)、次のような“晴ことば”を口に出して言ってみてください。できれば3回繰り返して…。
「元気だせ!」「きっとうまくいくよ!」。
どんな気持ちですか? どんな“顔”ですか?強烈な“晴顔”の“コトダマ顔”になっていませんか?
今度は“雨ことば”でやってみましょう。(こちらも、できれば3回繰り返して)
「もうダメだ!」「あいつ死ねばいい!」「もう、アッタマきた!」
どんな気持ちですか?どんな“顔”ですか?特に「もうダメだ!」 などという言葉は、何度も繰り返し言っていたら、もうほんと!身も心も、地の底まで沈み込んでしまいそうですよね。
■「つるかめ、つるかめ」って、なぜ繰り返すの?
「それって、あるある」 「そのお店、よく行く行く」などと会話で“言葉を繰り返す”ことがよくあります。テレビ番組のタイトルになっているほど、会話によく出てくる「言葉の繰り返し」。これは「繰り返し(反復)効果」と呼ばれているもので、何度も繰り返して言えば、それだけ効果があるということなのです。
しかし、この「繰り返し効果」、何度も繰り返せばいいというものではありません。たくさん繰り返すほど「慣れてしまう、飽きてしまう」という説があります。実際、私がいつもしている“元気づけ”の場合も3回、“晴ことば”を繰り返します。4回でも2回でもなく、「3回」なのです。つまり、“元気づけ”の“晴ことば”の場合、「“晴顔”の呼び出しに一番効果がある回数が3回」ということだと思います。
ドアのノックは、普通2回ですね。1回という人はまずいない。でも、トイレなどで、かなり切迫している人は、3回かな?「3回ノックというのは、テンションがとても高い」のです。実は、何事も「3回繰り返すことが一番効果的だ」ということが、経験的に言われています。「それって、あるあるある」が、効果最強。「それって、あるあるあるある」はしつこすぎですよね。
■あるデパートの取材で、こんな光景を目にしました
開店直前、店員のみなさんがすべて配置について、お客さんを迎えるばかりとなった店内に、こんなアナウンスが流れるのです。
「みなさん、今日も笑顔で、元気にお客さんをお迎えしましょう」「ご唱和ください。ハッピー・ラッキー、ハッピー・ラッキー」
このアナウンスに従って、店内のみんなが口をそろえて「ハッピー・ラッキー、ハッピー・ラッキー」のワンセットを大声で3回繰り返したのです。店内がいっぺんに明るく、元気になったように感じました。
「ハッピー」も「ラッキー」も、口角が上がった状態で言い終わるため、“笑顔”が残ります。そのうえ、ハッピー・ラッキーという“晴ことば”を口で発声することによって、強力な“コトダマ効果”が生まれ、“元気づけ”が行われているのです。その結果、「デパートにも、店員のみなさんやお客様にも、“幸運”が呼び込まれる」のです。
次回は“味”と“顔”の関係についてです。そこには、科学が見つけた「すごい“生き残り戦略”」があったのです。
●プロフィール
なかむら・かつひろ1951年山口県岩国市生まれ。早稲田大学卒業後にNHK入局。「サンデースポーツ」「歴史誕生」「報道」「オリンピック」等のキャスターを務め、1996年から「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)ほか、テレビ東京などでワイドショーを担当。日本作家クラブ会員。著書に「生き方はスポーツマインド」(角川書店)、「山田久志 優しさの配球、強さの制球」(海拓舎)、「逆境をチャンスにする発想と技術」(プレジデント社)、「言葉力による逆発想のススメ」(大学研究双書)などがある。講演 「“顔”とアナウンサー」「アナウンサーのストップ・ウォッチ“歴史館”」「ウィンウィン“説得術”」