サッカー日本代表を指揮する森保一監督がJリーグ特有の“不思議なところ”について語った。
4月29日開催のJ1第3節・名古屋グランパスvs柏レイソルの視察後、森保監督は記者からの取材に応じ、Jリーグのクラブや選手たちに求めることについて「どのクラブにも頑張っていただきたいとは思いますけど、予算規模が大きいチームにはビッグクラブとして結果も出していただいて、その中で、中位、下位と分けられるチームが挑んでいくっていうリーグになっても良いかなと思います。選手もよりビッグクラブに行き、タイトルをより可能性高く狙えるようなチームに行って、報酬も上がったり、知名度も上がったり、いろんなステータスも上がるっていうことがあってもいいかなと思います」とコメント。いい意味でクラブ間での格差が生まれ、互いに激しい競争が繰り広げられるようなリーグになることを期待した。
また、「ちょっとこれ、話変わりますけど、Jリーグの本当に良いところは、J1だと。1位から20位までどこが勝ってもおかしくないという、世界的に見ると特別なことが起こっている面白いリーグかなと思ってます。言い方を変えると『不思議なJリーグ』かなと。日本人文化というか、メンタリティーが反映されているところがあるかなと思うんですけど」と述べ、現在の群雄割拠な白熱ぶりを“世界的にはレア”だと表現している。
「Jリーグでの過去20年の優勝チームを振り返ってみると、2007年から3連覇を果たした鹿島アントラーズや、17年から21年までの5シーズンで4度の優勝を達成した川崎フロンターレなどのケースはありますが、それ以外は、比較的、優勝クラブがバラけている印象です。また、前年度12位だった横浜F・マリノスの優勝(19年)や、11年と14年には、それぞれJ2から昇格初年度に優勝した柏レイソルとガンバ大阪の偉業も記憶に新しいです。昨季も、クラブ史上初のJ1挑戦となったFC町田ゼルビアが最終節まで優勝の可能性を残す大健闘を見せ、3位でフィニッシュ。失点はリーグ最少の34と堅守を披露し、“どこが優勝してもおかしくないJリーグ”を象徴するような活躍だったと言えます。こうした群雄割拠ぶりは、世界3大リーグのイングランド、イタリア、スペインなどでは起こり得ない現象であり、まさにJリーグだけが見せる唯一無二の魅力であるとも考えられます」(スポーツライター)
これが日本代表にとって良いことかどうかは難しいところではあるが、最終節までアツいバトルが展開されるのは、リーグの盛り上がりには欠かせない要素だと言えるだろう。
(木村慎吾)