内野聖陽が主演を務める「PJ ~航空救難団~」(テレビ朝日系)が、SNSを中心にドラマファンの間で話題を集めている。同作は、救難活動の精鋭部隊となる航空自衛隊航空救難団の救難員、通称PJ(パラレスキュージャンパー)と呼ばれる救難員を目指す訓練生たちが、過酷な訓練に取り組むストーリーだ。
毎週、様々に特殊な訓練の数々が紹介されるが、教官たちの「厳しすぎるシゴキ」が“コンプライアンスを気にしていない”と人気を集めている。
「ここ最近、ドラマでもコンプライアンスを意識するようになり、過激な描写は極力なくしています。特に、パワハラやセクハラ、女性を軽視するような描写は、SNSで炎上する恐れが高いのですからね。そんな中、『PJ ~航空救難団~』は訓練とはいえ、見え方としてはパワハラ的なシゴキが展開され、令和の時代にはかなり攻めた演出を見せています」(民放関係者)
実際、これまでの「PJ ~航空救難団~」で放送されたシゴキは、腰を落として両腕を斜め後ろに上げた姿勢を維持させたところに内野扮する宇佐美誠司が消防ホースの強力な水をかけるシーンもあった。また、水中訓練では溺れる寸前まで追い込み、連帯責任で腕立て伏せ、明け方に起床させてランニングさせるなど厳しすぎるスパルタ教育の連発。この厳しい教官たちのシゴキっぷりが視聴者からは好評となっているのだ。
「当たり障りのない演出に慣れた若い世代には逆に新鮮に映っているようです。SNSでも、“見ていて気合いが入る”という声や、“救難員たちのすごさがわかり改めて尊敬するようになった”といった声が多数あがっている。『PJ ~航空救難団~』は、航空自衛隊の全面協力で制作されていて、ロケ地は本物の小牧基地を使っています。そうしたバックアップによって、厳しい訓練シーンにもリアリティが出て、視聴者から共感を受けることに成功しています」(前出・民放関係者)
また、内野が演じる宇佐美の“昭和”を感じさせるような熱いキャラも注目されている。
「宇佐美はとにかく厳しい教官ですが、訓練中に歌を熱唱するなど天然なキャラで描かれています。ドラマの最後では訓練生に涙ながらの教訓を与え、感動的な場面を演出するのが定番。愛すべきキャラであり、悩みながら訓練生とぶつかる様子が描かれているので、シゴキのような場面があっても、SNSで炎上もしていない。過酷な訓練をしなければ任務に当たる際に死が待っているという説明もしっかりしており、やはり、自衛隊の協力もあることで、キチンと脚本が作り込まれています」(前出・民放関係者)
今期、類例を見ない構成の作品としてもしかしたら、テレ朝を代表するようなドラマになるかもしれない。
(渡邊伸明)