川栄李奈が主演を務めるドラマ「ダメマネ! ―ダメなタレント、マネジメントします―」(日本テレビ系)が低調なスタートとなった。同ドラマは、初回の視聴率が4.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)となり、同局の日曜ドラマ枠で最低クラスの数字を記録。前作となる「ホットスポット」より1.4ポイント少なかったのだ。
同ドラマは芸能事務所を舞台に、かつて国民的天才子役として名をはせた主人公・神田川美和がマネージャーとして再起するストーリー。安田顕や吉瀬美智子、山田涼介といった人気俳優で脇を固めているが、毎クール全てのドラマに目を通している民放関係者のA氏が、ドラマの“ダメ”な部分を解説してくれた。
「川栄演じる美和が入社する『TOYOプロダクション』は、1部から4部に分かれている設定。4部には売れない俳優ばかりいて、美和はそのタレントたちを売り出していくという展開ですが、ドラマ構成上仕方ないとはいえ、売れない俳優が事務所の雑用をさせられているという設定にリアリティがありません。また、初回では老害俳優役の竹中直人のパワハラ演技が大袈裟すぎて興ざめの印象でした」
また、川栄をはじめ、人気俳優を活かしきれていない演出にも問題があるとして、A氏がこう続ける。
「川栄は、コミカルな演技とシリアスな演技を切り替えながら主人公を演じていますが、この設定は、昨年放送した『となりのナースエイド』(日テレ系)の主人公・桜庭澪と同じ。『となりの―』ではミステリー要素もあり、両極端な演技が効果的でした。ところが『ダメマネ!』はなぜ川栄が2面性のあるキャラを演じているのかがわからない。また、山田はスーパースターという設定のキャラなのですが、実際の本人とあまり変わらないのも面白みに欠ける。ほかにも、濱田マリ、橋本じゅんなど、脇役で光る俳優が出演しているのに活かしきれず、制作陣がドラマをコントロールできていない印象です」
このままだと、「この枠で最低視聴率を記録する黒歴史になりかねない」と指摘するのは、別の民放関係者。続けてもらおう。
「川栄演じる美和は、子役時代に何か事件を起こしているという設定なのですが、そこにつながるような描写も第3話まで見てもはっきりしない。視聴者離れが起きているようです」
前作「ホットスポット」で話題を作り注目を浴びた日本テレビの日曜ドラマ枠。「ダメマネ!」は5月11日放送回の第4話から巻き返せるか。
(渡邊伸明)