5月23日、大阪・ABCテレビで「探偵!ナイトスクープ」のスタジオ収録が行われた。
新設されたポジション「今週の特命局長」として登場したのは、SUPER EIGHTの村上信五(放送は関西ローカルで6月20日)。1988年に関西でスタートしたオバケ番組は、メインの男性司会者を「局長」と呼び、初代を上岡龍太郎さん、2代目を西田敏行さん、3代目をダウンタウン・松本人志が歴任してきた。ところが、松本が芸能活動の休止に入った24年2月2日放送回から、各探偵が「局長代理」に。今回、「今週の特命局長」という新ポジションを与えることで長寿番組のさらなる活性化を目指す。在阪のテレビ関係者が明かす。
「村上さんを初回で迎えたのは、大きな意味があります。5月31日に全国ネットで生放送される大阪・読売テレビ制作の音楽番組『Daiwa House Special 音道楽EXPO』でメインMCを務めるのですが、これが現在開催中の大阪・関西万博の会場から世界で初めて生中継されるのです。万博では、自身をモデルにしたバーチャルタレント『AIシンゴ』も運用。すでに、25日に関西で放送された万博のプロモーション番組に“出演”させているので、村上さんも万博に参加している格好です」
村上は、アーティストのSUPER EIGHTとしてはSTARTO ENTERTAINMENTに所属しているが、AIシンゴは設立した個人事務所が管轄・運用。制作に莫大なポケットマネーを投資したため、現在は赤字だ。が、将来的には国内外の観光地などへの設置を考えており、自身が生番組に出演中にAIシンゴを他府県へ派遣して、二極化活動をめざす。
村上は、アーティスト活動以外で東奔西走。現在は、東京に本社、大阪府高槻市に支社を構える「ノウタス株式会社」という会社のサラリーマンでもある。アグリテインメント(農+エンタテインメント)事業の一環であるプロジェクト「パープルM」のマネジメント部の社員として、農業ベンチャーに従事しているのだ。ぶどう農園や農家と手を食み、新品種や商品の開発、販路の拡大などに取り組む二刀流アーティストだ。
「出会いは、その会社の代表が、村上さんのラジオ番組に出演した時のことで、大阪府高槻市は村上さんの地元であったことが入社の決め手となった。地元の関西への“帰巣本能”が高まっている証拠と言えるでしょう。村上さんは幼少期は吉本興業に入ろうか悩んだほど、関西芸人をリスペクト。吉本芸人でも明石家さんまやダウンタウン、今田耕司や東野幸治ほか大ベテランはみんな地元愛が強く、どれだけ売れても、関西ローカルのレギュラー番組を手離しませんでした。43歳になった村上さんもその域に達し、地元還元は今後ますます高まっていきそう」(前出・在阪のテレビ関係者)
ラジオ番組「村上信五くんと経済クン」(文化放送)ではあらゆる業界のビジネスマンと対話。新ビジネス哲学が詰まった新著「半分論」(幻冬舎)は、発売日に重版がかかるベストセラーに。サラリーマンアイドル、“サラドル”は農業と大阪万博を足掛かりに「関西制圧」を目論むか。
(北村ともこ)