ダイエットや健康のために運動をしたほうがいいことはわかっていても「なかなか時間が取れない!」。そんな人に、うれしい研究結果が発表されました!
2017年1月9日にアメリカ医師会報(JAMA)の内科ジャーナル・オンライン版に発表された論文によると、週末1回だけの運動でも、十分に健康への効果があると結論付けられたのです。
論文を発表したのは、イギリスのラフバラ大学のゲーリー・オドノバン博士を中心とした研究チーム。彼らは、イギリス政府が1994~2012年にかけて調査した40代以上の男女6万3591人の運動習慣や病歴をもとに、週末だけの運動が心臓病や癌の予防になるかどうかを調べました。
手法としては、週に何度か20~30分程度の軽い運動をする人たちと、週末にまとめて少し高い強度の運動をする人たち、そして全く運動をしない人たちのグループに分け、それぞれの死亡率を比べたのです。
すると、週に小分けにして運動する人たちと週末だけの人は、全く運動をしない人たちに比べて、死亡率が30%低かったそうです。特に心臓血管系疾病のだけに限ると40%、癌に関連する死亡リスクも18%低かったと報告されています。
つまり、週末1回の運動でも、小分けにして運動するのでも効果はほぼ同等だというんです。
アメリカの心臓病学会などでは「週に150分」以上の運動を奨励していますが、週末だけウォーキングやジョギング、サイクリングといった運動をまとめてやってもOKだということです。
ただし、これまで運動を全くしていなかった人は、急に負荷の高い運動をすると、心臓などに負担がかかります。まずは、ゆっくりしたウォーキングや散歩から始めて、徐々にスピードアップしたり、距離や時間を伸ばしたりしたほうがいいでしょう。
また、頑張り過ぎも禁物。週の運動時間は、150分を超えないようにすることが、体に負担をかけずに最も効率的に効いてくれるようです。
この論文では脂肪燃焼、つまりダイエットについては触れていませんが、もちろんこういった有酸素系の運動は、代謝を上げて体脂肪の分解にも貢献してくれることは間違いありません。
論文では、週末だけ運動をする人たちを『Weekend Warrior』、つまり“週末戦士”と名付けて称えています。
いつも「時間がない!」を言い訳にしているアナタ、週末はWeekend Warriorになって、運動不足解消と気持ちのリフレッシュをしてみませんか。
(医療/フィットネスライター 松尾直俊)