【べらぼう】田沼意次の嫡男・意知を演じた宮沢氷魚に漂う「プリンス感」の不思議!
史実としてわかっていたことながら、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の7月27日放送回で、田沼意知(宮沢氷魚)が佐野政言(矢本悠馬)の刃に倒れ、命を失ってしまった。亡くなった意知はもちろんのこと、意知を殺めたことで切腹した政言も大好きなキャラクターだったので、そんな2人の命をもてあそんだ一橋治済(生田斗真)が憎くて仕方がない。
聡明で優しい意知も、ウェーイ!なノリについて行けない真面目で実直なヤングケアラーの政言も、治済の駒の1つにされたかと思うとやるせない気持ちになるということは、それだけ宮沢と矢本の演技が素晴らしかったということだろう。
実は意知とその父親の意次(渡辺謙)が並んでいる姿を見るたび、意知から漂う「プリンス感」は演技でなく、宮沢が持っている独特の雰囲気だよなと感心していた。
今年の春に放送されていた桜井ユキ主演ドラマ「しあわせは食べて寝て待て」(NHK)で宮沢が演じたニートの白羽司も、決まった仕事もせずに団地に住むお年寄りから頼りにされて、いつも「もらい物」をしている様子を見ながら、どうしてやさぐれたムードが漂わないのか、とても不思議だった。司からは背筋が伸びている感じや品のよさが感じられるのはどうしてなのかと考えていたのだが、今回の意知役で「プリンス感」という言葉にたどり着いた。
宮沢の「プリンス感」は、今後の作品で演じる様々なキャラクターにも大きな影響を与えることだろう。
(津島修子)
