【しあわせな結婚】阿部サダヲと松たか子だけじゃない!「名役者たちの無駄使い」で終わった最終回に消化不良
9月11日に最終回を迎えたドラマ「しあわせな結婚」(テレビ朝日系)にブーイングが起きている。そのワケは大きく2つ。
1つ目は、思わせぶりなセリフが多かったのに何もひねりがなく、伏線回収が何もなかったこと。
2つ目は、阿部サダヲと松たか子だけでなく、段田安則、岡部たかし、板垣李光人、杉野遥亮、野間口徹など、豪華な名役者がそろっていたにもかかわらず、それぞれの役者の魅力がまったく引き出せていなかったこと。
特に2つ目に関しては、これぞ「名役者の無駄使い」というしかないほど、薄味の作品になってしまったことが非常に残念で泣けてくる。
これだけの役者陣を集められたなら、甘いも辛いも苦いも塩辛いも、人間の“業”という“業”を描きながらもサラッと軽いタッチで見せてくれる名作が残せたと思うのだが、違うだろうか。
せめて幸太郎(阿部)がネルラに「もう1回結婚しよう。離婚したくなったらまた、離婚すればいい。また追いかけて『結婚しよう!』って言うから」と再プロポーズした後に、「幸太郎さんが粘り強くてよかった」とネルラが応じて2人は抱き合ったものの、ネルラは手に持っていたハサミで幸太郎を無表情で刺してくれたほうが、最終回として納得できたかもしれない。
「妻が何をしても粘り強く愛してくれる夫がいたらいいよね」というメルヘンな着地となった最終回だったが、阿部と松が演じていなければ最終回までもたなかったことだろう。「次回こそ何か起こるかもしれない」と期待させてくれたことには感謝しかない。この報われない思いは、次期ドラマへの期待にすり替える努力をしようと思う。
寛(段田)の不倫も、黒川刑事(杉野)のネルラへの恋心のようなものも、ネルラとレオ(板垣)の間にいた「五守」という名の海で溺死した弟も、梶原(馬場徹)と交際している30歳年上の祥子(吉川美代子)も、何か意味があるかと思っていたが何もなかった。
第1話の視聴直後が1番ワクワクしていたなと振り返った視聴者は、きっと私だけではないはずだ。
(森山いま)
