北米で鬼滅旋風!「無限城編」が記録的メガヒット、絶対王者“ピクサーの背中”が見えた
アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」が9月12日より北米で公開され、公開初週の興行収入は推定7000万ドル(約103億円)に達した。これは、アニメ映画として史上最高の初動となる快挙である。
配給を手掛けたのはソニー・ピクチャーズ傘下のクランチロール。公開初日の12日だけで3300万ドル(約49億円)を稼ぎ出し、1999年公開の「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」の3100万ドルを上回った。
「鬼滅の刃」シリーズの映画作品としても過去最高の出足で、これまでの記録は2021年公開の「無限列車編」の2100万ドル、2024年の「柱稽古編」の1150万ドルだった。
「今回の数字は、日本アニメ映画の北米における存在感を一気に塗り替えるものです。過去の事例を見ると、日本国内で250億円を超えるメガヒットとなった『君の名は。』でさえ、北米興行は500万ドル程度にとどまりました。また『ドラゴンボール超 ブロリー』は2019年の北米公開時に累計興収約3000万ドルを記録し“異例の成功”と称賛されましたが、今回の『鬼滅の刃 無限城編』は初動だけでその2倍以上を記録しています。つまり『鬼滅の刃』は、日本アニメがこれまで越えられなかった北米市場の壁を一気に突き破った作品と言えるのです」(エンタメ誌ライター)
ただ、最終的な比較の対象として避けて通れないのが、アニメーション界の絶対王者・ピクサーだ。
「2019年公開の『トイ・ストーリー4』は公開初週に約1億2000万ドルという驚異的な数字を叩き出しましたが、これは1995年公開の『トイ・ストーリー』から24年にわたって築き上げてきた世界的ブランド力の成果です。それに対し『鬼滅の刃』は、原作の連載開始から短期間で、すでにその巨塔の背中を追える位置にまで迫っている。これは驚異的な成長スピードだといえるでしょう」(前出・エンタメ誌ライター)
なお、トム・クルーズ主演の実写の大ヒットシリーズ「ミッション:インポッシブル/ザ・ファイナル・レコニング」(約6400万ドル)と比較しても、「鬼滅の刃 無限城編 第一章」のオープニング興収は上回っており、今後の数字の伸びにも注目したいところだ。
(木村慎吾)
