【愛の、がっこう。】木村文乃“愛実”とラウール“カヲル”はハッピーエンドだったものの「泣けなかった!」の不満が続々
9月18日で最終回を迎えたドラマ「愛の、がっこう。」(フジテレビ系)は、木村文乃演じる小川愛実とラウール演じるカヲルこと鷹森大雅のハッピーエンドで幕を下した。しかし、放送直後から翌朝8時までの間に、私のスマホにはLINEが22本、メールが7本、電話が5本届き、そのうち28本が「泣けなかった!」と不満を嘆く内容だった。
その理由は、愛実のモノローグで「愛し愛された記憶が生きていく力になる」とはあったものの、美容師専門学校の試験に落ち、愛実に別れを告げ、ホストに逆戻りしたカヲルが、どうやって立ち直ったのかが全く描かれていなかったことが大きいだろう。カヲルが立ち直るプロセスが「端折られた」と感じられた視聴者が「泣けなかった」と不満を口にしているようだ。
愛実に愛され、愛実を愛した記憶が、カヲルの美容師専門学校に再チャレンジしようと思う気持ちにつながったとは思うのだが、三浦海岸の砂浜に落ちていた木の枝で「愛」の字をカヲルが書きまくり、その字に囲まれる愛実とカヲルを見ても、申し訳ないが私も感動の涙は出てこなかった。泣く準備はしていたのに。
中には、三浦海岸で「愛」の字を書きまくるシーンの空の色が、曇っていたため灰色で、砂浜の灰色も相まって「なんだか呪いの書みたいな“愛”だった」「せっかく“愛”って書いてたけど“呪怨”みがすごかった」「曇ってたからなのかハッピーエンドなのにハッピーな感じがしなかった」といった声がネット上にはあがっている。
また、ラストシーンが愛実とカヲルではなく、愛実の父・誠治(酒向芳)がエプロンをして冷蔵庫を開けている様子を背景に、愛実の母・早苗(筒井真理子)が、一度は誠治にブチ切れて別れを言い出し、キッチン栽培していたバジルたちをプランターから引き抜いていたのだが、そのプランターから小さな新芽が生えてきたアップだったことにも、不満の声は聞こえている。
愛実とカヲルが新たに2人で歩み始めたことと、誠司が主夫となって家事を、早苗が仕事をするようになって2人は離婚せずに新たな生活をスタートさせたことはよくわかったが、ラストカットが「新芽」というのは、視聴者にしてみたら「食いたらない」。せめてここで、愛実とカヲルが「愛」という書き文字に囲まれていてほしかった。
先週の木曜9月11日には、阿部サダヲ主演ドラマ「しあわせな結婚」(テレビ朝日系)の最終回で消化不良を起こしたばかり。今週の木曜9月18日には「愛の、がっこう。」の最終回で大泣きして気持ちを昇華できるかと思っていたが、この腑に落ちない、胃もたれした感じはどうやって直せばいいのだろうか。
(森山いま)
