村山富市元総理が大往生…知る人ぞ知る「男はつらいよ」での「寅さんとの共演シーン」
10月17日、村山富市元総理が老衰のため101歳で亡くなった。1994年に「自社さ」連立政権で第81代総理となった村山氏は、在任時に阪神大震災やオウム真理教事件、全日空機ハイジャック事件に対応。戦後50年の節目にはいわゆる「村山談話」を発表し、日本の過去の植民地支配に関する「反省とおわび」を表明した。
長い眉毛がトレードマークだった村山氏を巡り、いまも語り草となっているのが「進め!電波少年」(日本テレビ系)による突撃ロケだ。テレビ関係者が語る。
「番組では村山氏が日本社会党の委員長だった94年2月に『村山委員長の眉毛を切ってあげたい!!』と題したロケを敢行。ハサミを手にした松村邦洋が同党の本部を訪れ、村山氏を直撃。『村山さん、眉毛を切らせていただけないでしょうか』と本人に直談判しました」
最初は渋っていた村山氏だが、松村の懇願に「よしっ!」と承諾。右の眉毛を1センチほど切らせたのだが、松村が眉毛を床に落としてしまい回収できず、という展開となった。その後、同番組では「村山首相とのパイプを太くしたい!」「村山首相を助けたい!」など、村山氏に関する企画がシリーズ化したのだ。
村山氏の出演は「電波少年」以外にも。同関係者が続ける。
「実は総理在任中の1995年12月に公開された『男はつらいよ 寅次郎紅の花』にも出演しているんです。作品の序盤に、くるまやの人たちが阪神大震災のドキュメント番組を見ているシーンがあるのですが、その中に村山氏も登場するんですよ」
村山氏が被災者を見舞っている作中の映像に映り込んだのは渥美清(96年に他界)演じる車寅次郎。
「寅さんは『オレからもよ、総理によーく頼んであるから。みんなしっかり頑張ってくれ』と村山氏の隣で被災者にエール。さらに『村ちゃん、行こうか』と親しげに村山氏に話しかけていました。ただ、実際に村山氏がロケをともにしたわけではなく、合成映像により実現したそうです」(前出・テレビ関係者)
気さくで庶民的な総理であった。
(塚原真弓)
