「月曜から夜ふかし」に「放送倫理違反」認定!“ヤラセ編集問題”を招いた「過酷すぎる街頭ロケ」の実態
トークバラエティ番組「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)の放送内容を巡る「ヤラセ編集問題」に厳しい判断が下された。10月21日、放送倫理・番組向上機構(BPO)が意見書を発表。今年3月24日に同番組が放送した街頭インタビューに放送倫理違反があったと認定したのだ。
「問題となったインタビューの放送シーンでは、中国出身の女性があたかも『中国ではカラスを食べる習慣がある』と発言したかのように構成。放送後、女性が日本テレビに『実際に話した内容と違う』と連絡したことから、不適切な編集が発覚しました」(テレビ関係者)
この問題を受けて、同番組では約2カ月間、街頭インタビューを中止。5月に同局が再発防止策を発表した上で再開している。
今回、BPOは「笑いやオチを優先させるなかで、不正リスクの軽視につながった組織風土」を指摘。
「番組の制作過程で生じた疑念を制作陣全体に共有する仕組みがなかったり、不正抑止のための仕組みが機能不全を起こしていた」と制作システムに問題があったとする検証結果を報告した。
インタビューを受けた女性がネットでの炎上に巻き込まれる可能性もあった同番組のヤラセ編集問題。前出のテレビ関係者は「街頭インタビューを担当するスタッフへの過度な負担が一因となったのでは」と指摘する。
「BPOの調査報告書にも記されていましたが、『月曜から夜ふかし』のインタビューを行っているのは制作会社のスタッフ。面白いエピソードを話してくれそうな一般人を街頭で探して、一日数十人に声をかけているんです。しかし、大半はインタビューそのものを断られてしまい、話を聞けたとしても視聴者にウケるようなコメントはなかなか得られないのが実情です。同時に発注元である局側からの『撮れ高のあるコメントが欲しい』とのプレッシャーも相当なものでしょう。ヤラセ編集が問題になった『月曜から夜ふかし』に限らず、せっぱ詰まって“誘導質問”や“仕込みインタビュー”などに手を出してしまうケースは、昔からバラエティ業界でよく聞く話です」(前出・テレビ関係者)
面白いコメントを見つけるのは至難の業なのであった。
(塚原真弓)
