「日曜劇場じゃないのか…」池井戸潤氏の小説「俺たちの箱根駅伝」ドラマ化発表で懸念される“旧ジャニ祭り”
10月19日、作家・池井戸潤氏の小説『俺たちの箱根駅伝』がドラマ化されることが発表された。来年、日本テレビ系列で放送される予定で、関東学生陸上競技連盟の全面協力のもと制作されるという。
同作は、正月の風物詩「箱根駅伝」を題材に、出場を目指す大学陸上部の選手や監督、そしてレースを生中継するテレビ局員たちの情熱と葛藤を描く。池井戸氏の作品らしい人間ドラマと、スポーツの熱さが融合した群像劇だ。
「原作は2021年に『週刊文春』で連載が始まり、青山学院大学など実在の大学名も登場することで話題を呼びました。取材を重ねること十余年、池井戸氏が『もう二度とこんな小説は書けない』と語るほど渾身作です。小説では、駅伝中継現場で代々受け継がれている『放送手形』や、『小涌園前』だけが実名で登場する理由など、駅伝の舞台裏に迫る描写も多く、リアリティと臨場感に満ちています」(出版関係者)
ところが、発表内容を見ると、あまりにも情報が少ない。主演をはじめとしたキャストや放送時期は未定で、連続ドラマなのかスペシャルドラマなのかも明らかにされていない。その理由を日テレ関係者が耳打ちする。
「実は、広報が発表のタイミングを間違えたのではないか?ともっぱらです。自局の重要コンテンツである箱根駅伝を描いた池井戸氏の作品のドラマ化とあれば、もっとセンセーショナルな告知ができたはず。『放送決定』という情報だけだっため、その後のネットメディアなどの後追い報道がまったく盛り上がっていません」
池井戸氏といえば、TBS「日曜劇場」枠の常連作家。「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」など、池井戸氏の原作を映像化した骨太なドラマは軒並み大ヒットを記録してきた。特に「陸王」はマラソンシューズをテーマにしており、「駅伝」と題材が近いことからも、ファンの間で期待が寄せられている。しかし一方で、今回のドラマ化が日本テレビだったことには「日曜劇場じゃないのか…」と落胆している人たちもいるようで…。
「日テレといえば、旧ジャニーズとのパイプが強く、ドラマやバラエティでの積極起用が目立ちます。若手のイケメン枠がふんだんにあるため“旧ジャニタレ祭り”となってもおかしくはありません。日テレでも『花咲舞が黙ってない』という池井戸氏の作品の成功例はありますが、“アイドル色が強くなりすて作品の骨太感が薄れるてしまうのでは”と一部の原作ファンは懸念しているようです」(テレビ誌ライター)
正月の風物詩である箱根駅伝の前後に放送されれば、注目度は抜群だろうが、タイミングがズレれば、大コケの可能性も。果たして、日テレは日曜劇場に負けない名作を生み出せるだろうか。
