【サン!シャイン】高市総理「台湾有事発言」ニュースで張り詰めた緊張を解きほぐした武田鉄矢の「語り」の力
朝の情報番組「サン!シャイン」(フジテレビ系)の人気コーナーで、俳優の武田鉄矢が自身の経験に基づいた教訓などを解説する「サン!八先生」。11月12日放送回での話題は、“呪いの言葉”だった。コーナー直前、ニュースで取り上げられたのは中国総領事の過激な発言。「外交官として許されない」との批判も広がる、高市早苗総理の“台湾有事”を巡る発言の話題が報じられていた。スタジオには、国際情勢の緊張を映すような、少し張りつめた空気が流れる。そんな中での「サン!八先生」とあってか、武田鉄矢が懇々と語り始めた。
「人を呪わば穴二つ」
他人を陥れようとすれば、同じような悪い報いが自分にも返ってくるという意味のことわざだが、このネット時代、呪いの言葉にあふれている。だからこそ、自分を愛することが大事なんだ、という内容だった。武田の口調からは、「人生の重み」が伝わってくる。相手を責めるより、自分を見つめ直す。怒りよりも静けさを選ぶ学校の先生の小さな説法のようだ。やがて話は、日常の小さな幸せへと転じる。
「寒い日にね、日本酒とあったかいおでんを食べたら『うまい!』ってつぶやく。それが、自分を労(ねぎら)うってことなんですよ。みずからを愛しましょう」
すかさず谷原章介が笑顔で応じる。
「“足るを知る”ってやつですね」
息の合った掛け合い、いつも武田の言葉をやさしく受け止める谷原の存在が、講義をいっそう豊かにしている。そして、佐々木恭子アナが穏やかに笑って言った。
「ご自愛くださいとか、日本語ならでは。やっぱり、言霊の国なんですよね」
時代が騒がしいからこそ言葉はシンプルに、人を責めるより、自分をいたわりたい。
「『クドい!』とネットでも騒がれた『サン!八先生』ですが、くどいことが少なくなった今、熱いことが役に立ち、『熱い』には『厚み』があります」(テレビ誌ライター)
呪うより、癒やす。朝の“サン!八先生”・武田が伝えるのは、怒りを鎮める知恵と暮らしの中の“しあわせの哲学”なのだ。
(小津うゆ)
