「フィギュアスケート世界選手権2017」で、日本の羽生結弦選手、宇野昌磨選手に次いで3位に入った中国のボーヤン・ジン選手に、日本の一部のスケートファンからブーイングが起こっているという。
「ボーヤン・ジン選手は4回転時代の申し子のような存在で日本にもファンがいます。しかし、今回フリーで選んだ曲は、あの高橋大輔がバンクーバー五輪で演じた『道(ラ・ストラーダ)』。高橋が映画で表現されているテーマや内容を吸収し、難しい曲の世界観をみごとに創り上げたので、ファンにとっては『道』=高橋なんです。もちろん、ボーヤン・ジンも高橋へのリスペクトがあったからこそ選んだ曲なのでしょうが」(女性誌記者)
類まれな表現力で観客を魅了した高橋の演技に比べれば、ボーヤン・ジン選手の滑りは、4回転の技術こそあるものの、作り出す世界観という点ではまだまだ及ばなかったようだ。
リスペクトするスケーターの素晴らしい演技をなぞりたくなる若手の気持ちもわからなくもない。しかし、先輩の残した作品が素晴らしければ素晴らしいほど比較されるリスクをともなう。そして、その演技を愛したファンを敵に回すリスクも。
ボーヤン・ジン選手もまだ若手。たくさんの経験を積んでから改めて「道」を演じれば、違う評価を得られるのかもしれない。
(芝公子)