「森脇さんに救われた」。松竹芸能の後輩たちは、おしなべてこう言う。安田大サーカス・安田団長ほか多くの芸人は、売れていない時期に森脇健児に食わせてもらっていたからだ。
森脇といえば、90年代の絶頂期にはレギュラー番組12本、CM7本を抱え、“月9”ドラマに出演。さらに歌手デビューして単独コンサートも果たしたアイドルだった。ところが、その後は東京の仕事が徐々に減少。この20年ほどは、地元の関西に拠点を戻している。そんな森脇は2年ほど前から、全国区タレントとして再ブレイクしているが、きっかけは、“ジャニーズの後輩”だったという。テレビ制作会社で、数多くのタレントと携わっているスタッフに話を聞いた。
「後輩というのは、SMAP時代の中居正広さんです。SMAPは森脇さんと『夢がMORI MORI』(フジテレビ系)で共演して、バラエティのノウハウを学んだといわれていますが、中居さん個人としては、それ以前の『アイドル共和国』(テレビ朝日系)、『桜っ子クラブ』(テレビ朝日系)でも森脇さんから教えを受けています」
アイドル芸人時代には、天然ボケという飛び道具を発揮できないでいた森脇。だが、開花させた今は、それを炸裂させて、有吉弘行のように“二発屋芸人”になりつつある。しかし、以前にも復活のチャンスがありながら逃していたことがあることはあまり知られていない。
「2013年にオンエアされた『さんま&SMAP!美女と野獣のクリスマススペシャル』(日本テレビ系)です。コーナー主旨は、“SMAP中居に文句がある!”だったんですが、スタジオに現れた森脇さんは、SMAPとの再会、明石家さんまさんもいる全国ネットということで舞い上がってしまい、感謝一色。木村(拓哉)さんが“さんまにぶつかっていけ!”と膝で合図を送りましたが、森脇さんは緊張の色を隠せず、“呼んでいただいてありがとうございます”と終始低姿勢。収録後、森脇さんは中居さんから2時間説教されたそうです」(前出・テレビ制作会社スタッフ)
この説教は森脇にとって“赤坂の心臓破りの坂”よりキツかった‥‥かもしれない。
(北村ともこ)