5月1日、自民党の田村憲久前厚労相の娘がTBSの女子アナとして内々定をもらったことが報じられた。コネ入社を疑う向きからは「前厚労大臣としていかがなものか」との声も聞かれそうだが、有名人の子息のテレビ局入社は今に始まった話ではない。
俳優・高橋英樹の娘・高橋真麻がフジテレビに入社したのをはじめ、16年には歌手・藤井フミヤの息子・弘輝氏もアナウンサーとして採用。アナウンサー以外にも、みのもんたの息子2人が、日テレ、TBSにそれぞれ入社。14年には安倍晋三首相の甥もフジテレビに入社している。
各テレビ局は「公平、公正に入社試験を行った結果」と回答するに違いないが、有名芸能人や政治家の子供や親戚の採用率が高いのは明白。有名人の子息を採用すると、どんなメリットがあるのか? 芸能ジャーナリストに聞いた。
「今のアナウンサーは、ニュース原稿を読むだけでなくタレント化しています。有名芸能人の子供がアナウンサーになれば、それだけで話題になる。制作現場の社員ならば、親に対する出演交渉もやりやすい。大物政治家の子供なら、取材に応じてくれやすいなどのメリットがあります」
一般の就活生にはうらやましすぎる境遇だが、入社でゲタをはいた分、その後は厳しい目で見られることもあるという。
「鳴り物入りで入社すると、同僚や上司、視聴者にも注目の的になります。有名人の子息ではありませんが、元モーニング娘。出身でテレビ東京に入った紺野あさ美がいい例。紺野は入社2年目までは、『Newsモーニングサテライト』でサブキャスターや卓球の世界戦の中継リポーターなどを務めましたが、3年目には体調不良で休養。復帰後は『紺野、今から踊るってよ』や音楽番組にモー娘のOGとして出演したくらい。とてもアナウンサーの仕事とは思えなかった。結局、看板と言える番組もないまま、6年で結婚退職ですからね」(芸能記者)
スタートラインに立てば、あとは実力が問われることも確かだ。