ドラマ「表参道高校合唱部!」(TBS系)でイケメン高校生役を演じた志尊淳が、10月17日公開の映画「先輩と彼女」にて主演を務めることになった。同名の少女マンガが原作の同作品にて志尊は、人生で初めてとなる壁ドン、そして顎クイに挑戦したという。
若手イケメン俳優で注目株の志尊が壁ドンを披露するとあって、さぞや原作ファンの間でも実写映画化が話題になっているかと思いきや、意外にも盛り上がりに欠けているらしい。なんでも原作には壁ドンも顎クイもないというのだ。少女マンガ事情に詳しい女性編集者が説明する。
「原作マンガが完結した2005年当時には、壁ドンや顎クイという言葉はなかったはずです。作中で壁ドンっぽく見えるシーンは、背の高い先輩が小柄な主人公に前かがみで話しかける際に、手で体を支えているだけ。キスシーンでは腕を掴んでおり、顎なんて一回も触っていません。つまり、映画化にあたって勝手に付け加えられたシーンに過ぎないのです」
どうやら原作ファンの間では、無理やり今風にしなくてもという反発すら生まれているようだ。それでは原作を知らない、今どきの志尊ファンなら初・壁ドンに喜んでいるのでは? どうやらそれも違うようなのである、ネット事情にも詳しい芸能ライターが語る。
「壁ドンはいまや、2015年で消える流行語の筆頭に挙げられています。映画『ストロボ・エッジ』の予告編で福士蒼汰が有村架純を相手に壁ドンしたシーンが話題になったのは、昨年11月のこと。当時はコントやCMにも壁ドンが多用されましたが、今まだ喜んでこの言葉を使っていたら、時代遅れのレッテルを貼られるでしょうね」
ちなみに“顎クイ”は、壁ドンに続く流行語と言われていたが、実際のところはさほど広まらずに終わった感がある。その両方を取り入れた映画「先輩と彼女」では、制作側は世間の女子がまだ、壁ドンや顎クイに憧れていると信じているようだ。
だが肝心の志尊は、撮影中に顎クイを指示され「それって何ですか?」と聞き返したというのだ。その時点で制作側は、顎クイにリアリティがないことに気づくべきだったかもしれない。
(金田麻有)