このところ、各省庁の発信するさまざまな情報がツイッターなどのSNSで発信されている。
総務省は今年の「電波の日」のイメージキャラクターにデーモン小暮閣下を起用。6月1日に開催されたデーモン閣下のライブ会場で高市早苗総務大臣の会見が行われた。その記者会見で高市大臣が「デーモン閣下をリスペクトしまくっている」と発言、ネットで話題になっている。
高市はデーモン閣下の起用理由について、
「この迫力と、『電波のルールを遵守せよ』と上から目線で命令されると、閣下に言われたら絶対に逆らえないこと」と説明。
「閣下は、10万54歳という年齢にもかかわらず、素晴らしい声と音楽で本当にたくさんの方を魅了されています」
ウイットに富んだ高市氏の言葉が、総務省のホームページに公開されているのだ。
総務省勤務の30代男性によれば、「省内では最近、若手職員による全国各地のグルメレポートのページをサイトに作るなど、若い世代にも親しみやすい、堅苦しくない情報発信をしようという動きが活発で、20代の職員が自分たちの感覚を活かして活動しています」という。
経済産業省でも若手官僚が作成しHPに公開したSNS「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」というレポートが、日本の現状の問題点にしっかり着眼し、対策を考えているとして反響を呼んでいる。これは若手官僚たちから成る「次官・若手プロジェクト」が作成したもので、今の日本若者たちが感じている不安や、進まない社会制度の問題などを鋭く指摘した内容だ。
こうした役所のSNS発信について全国紙の政治部記者はこう分析する。
「このところ省庁の情報発信には、人気タレントなど使って国民にすりよる姿勢が露骨になっているが、実のところ庶民の感覚とかけ離れているケースも多い。デーモン閣下の件は別として、あまりに迎合したりくだけた内容だと国民をバカにしているように受けとられかねない」
とはいえ、若い世代が国の政策に興味を持つような仕掛けは重要。時代錯誤にならぬよう政府には今後もわかりやすい情報発信をお願いしたいものだ。