放送中の大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)の評判がよろしくないようだ。平均視聴率はここ10年の大河ドラマで下から3番目と伸び悩み気味。メディアで取り上げられることも少なくなり、話題性に欠けているのが現状だ。その低落傾向についてテレビ誌編集者が分析する。
「そもそもテーマがマニアックすぎます。本来なら戦国時代ものは視聴率が獲りやすいのですが、それは織田信長や豊臣秀吉といった誰もが知っている歴史的な人物が活躍するから。しかし本作で柴崎コウが演じる主人公の井伊直虎は、歴史ファンですらピンとくる人が少ないマニアックなチョイス。それゆえこの低調ぶりはドラマが始まる前から予想されていました」
いまさら主人公を変更できるはずもなく、局の期待は早くも来年の作品「西郷どん」に向かっているようだ。主人公は日本史の傑物中の傑物・西郷隆盛で、その役を務める鈴木亮平は186センチと大柄な体躯だから西郷にはピッタリ。だがその次回作にもテレビ業界では「期待できない」との声があるという。
「制作発表で脚本家が、『師弟愛・男女の愛からボーイズラブ(BL)までラブストーリーがちりばめられている』と発言。これには硬派な歴史ファンが猛反発したばかりか、BLを愛する方面からも『安易にボーイズラブを語るな』と大ブーイングが巻き起こったのです。しかも放送中の『おんな城主 直虎』は女性が男として国を守ることをテーマにし、次回作もBLとなれば、二作連続で性別が大きな要素となる。視聴者の年齢層が高めの大河では、拒否反応を示す人も少なくないでしょう」(前出・テレビ誌編集者)
NHKの看板が2年連続で失敗することになれば、責任問題に発展する可能性もある。どうやら大河ドラマは大きな転換期を迎えるかもしれない。
(浦山信一)