眠れない夜は「羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹‥‥」と数えるようにと、幼い頃に母親から教えられたものである。
しかし、実はこの不眠対処法が日本では通用しないところに“眠りの根拠”が隠されていたのだ。
そもそもなぜ、日本人にとってはほとんどなじみのない羊なのか。実はコレ、英語圏ではちゃんとした意味がある。
羊は英語で「sheep」だが、これは一種の言葉遊びで「sleep(眠る)」と似ていることから採用されたというのである。
それだけではない。英語圏では「one sheep, two sheep, three sheep‥‥」と数えるのだが、この「シープ」の発音で自然と息を吐くことができるところにも秘密があったのだ。
人はゆっくりと腹式呼吸を繰り返すと、高ぶった交感神経がリラックスした副交感神経に切り替わるようにできている。よって、深く息を吐きやすい「シープ」の発音を繰り返すことで、まさに眠りに入りやすくなるという仕組みなのだ。
もし英語に慣れ親しんでいるのなら、眠れぬ夜は「羊が一匹」ではなく「one sheep」と数えてみよう。