嵐の相葉雅紀が主演を務めた月9ドラマ「貴族探偵」(フジテレビ系)が6月26日に最終回を迎えた。本作では低迷する月9ドラマへのテコ入れとして、人気絶頂の相葉を投入したものの、終わってみれば視聴率を2ケタ台にのせたのは初回の11.8%だけ。平均視聴率は8.8%と低調で、今期のドラマで6番目という成績に沈んだ。
それでも最終回では広げまくった伏線をすべて回収したとして、ドラマファンからの評価はまずまずのようだ。なかでも探偵役でヒロインを務めた武井咲に関しては「真の主役!」との声も少なくないという。なぜか? テレビ誌のライターが指摘する。
「そもそも爆死続きの月9ドラマでは、主役やヒロインのオファーを受ける女優が激減しているのが実情。そのなかで武井はあえて、火中の栗を拾いにいったわけです。ここで視聴率を取れれば、女優としての株は一気に上がる。残念ながらその目論見は外れましたが、ただ武井の演技は悪くなかった。実力派俳優陣の中でも存在感を示し、“かわいいだけの棒演技”からはずいぶん進歩したと評価が高まっています」
武井は7月スタートのドラマ「黒革の手帖」(テレビ朝日系)にて主役を務めることが決まっている。同作品は04年に事務所の先輩である米倉涼子の主演で制作され、平均視聴率15.4%のヒットを記録。その続編ということで武井には大きなプレッシャーがかかっているはずだ。
それゆえ「貴族探偵」のヒロイン役で箔をつけ、「武井には重荷」という声を少しでも払拭しておきたかったところ。その意味ではある程度、目的を果たしたとも言える。どうやら月9ドラマは他局の踏み台に使われる存在になってしまったようだ。
(金田麻有)