7月2日の対局で連勝記録の更新が止まった藤井聡太四段。だがその快挙に、将棋ファンでもない一般大衆の注目度もヒートアップ。各局ワイドショーは連日、藤井四段の話題を取り上げた。
「対局中の昼食のメニューで盛り上がり、マジックテープ式の財布をバリバリと音をたてて開ける姿に『中学生らしい財布で好感が持てる』などのコメントを紹介してみせ、大竹まことが『誰かシメてやれ』と暴言を吐いたことが話題になるなど、上を下への大騒ぎでしたね。対局中の棋士の癖などの一挙手一投足や、投了する前のルーティンに注目するなど、将棋がわからない人でも見て楽しむ方法も紹介されていました。もちろん、主要な試合や竜王戦の仕組み、対戦相手にフィーチャーするなど、将棋の魅力そのものを紹介する番組もあり、将棋界にとっては絶大な効果があったのではないでしょうか」(女性誌記者)
なかには、対局の場に立ち会う記録係に注目する番組もあり、盤や肘掛け、座布団の準備から対局中の時間管理、棋譜の記録まで行う記録係の仕事内容も紹介された。
「過去に居眠りをしてしまったり、時間の読み上げを間違えたりした記録係の映像まで流されていました。とにかく他局と違う切り口で少しでも視聴者の気を引こうと必死でした」(前出・女性誌記者)
連勝をストップさせた佐々木勇気五段は「壁になれてよかった」と喜びのコメントをしていたが、いちばんホッとしているのは、将棋がわからない視聴者でも楽しめる切り口を必死で探していた番組制作の関係者だったのかもしれない。
(伊藤その子)