フィギュアスケートの羽生結弦選手が平昌五輪に向けて、15‐16シーズンに自己最高得点を更新した「SEIMEI」をFSに選択。2度目の金メダルへの期待がふくらんでいる。
「羽生は前シーズンから五輪での『SEIMEI』の再演を決めていたといいますが、関係者やファンの間でも『やっぱり』という声が多かったんです。五輪のないシーズンの、スケート選手の最終目標は世界選手権です。もちろんGPファイナルも重要ですが、最初から世界選手権に照準を合わせてくる選手も少なくありません。ですからGPシーズン中は、少しずつ演技の精度を高め、シーズン後半で演目を完成させるというペースが主流です。しかし、五輪シーズンは別。3月開催の世界選手権より1カ月前にピークを持ってくるためには演技を早めに仕上げる必要があるんです」(スポーツライター)
仕上がりの早さだけではない。選手は五輪以外のシーズンには多少失敗しても難しい技に挑戦し、難易度の更新を試みるが、五輪年には冒険せず、演技一つひとつの精度を高め、手堅く質の高い演技で確実に得点を取れるように演目を構成することが多いという。
「新しいプログラムより慣れたプログラムのほうが、曲の理解や音楽のメリハリが身体に入っているぶん、新しい演技構成に取り組みやすく、技を音楽に合わせやすいという点で有利です。もちろんジャッジに“同じ”という印象を与えないためには、明確に技の難易度や構成を変える必要がありますから、それはそれで大変なことではありますが」(前出・スポーツライター)
羽生選手にとっては、世界歴代最高得点を更新した縁起のよい作品であり、さらに演技の基礎点を高めればその得点を更新できることにもなる。ファンが楽しみにするのも当然だ。
「『SEIMEI』を心待ちにするのは、ファンだけではありません。過去の『SEIMEI』フィーバーではCDやDVD、書籍など『SEIMEI』関連のビジネスに大きな影響を与えました。世界中から参拝者が増えた晴明神社も含め、今回も大きな経済効果が期待できるのではないでしょうか」(週刊誌記者)
今シーズンは世界歴代最高得点の更新だけでなく、日本中が“羽生特需”を待っている?
(芝公子)