いったいどこが「愛は地球を救う」なのだろうか。そんな批判が「24時間テレビ」(日本テレビ系)のあるコーナーを巡って渦巻いている。
8月26~27日に放送された同番組において、横浜市在住の母親が5歳の息子に対して「本当のママはこのママじゃないの」と告げるシーンが放送された。本当は兄の子供であり、事情があって育てられなくなったことから児童相談所に送られる寸前に、現在の母親が引き取ったのだという。このシーンについて子育て中の女性誌ライターが苦言を呈する。
「実子や養子の概念なんて理解できない5歳の子供に、なぜそんな告白をするのか。この子が母親からの説明に『わかんない』と答えたのも当然でしょう。しかもこの手の家族事情は完全にプライベートな事柄なのに、全国放送にのせたことで、お子さんの周囲にも彼の境遇が知れ渡りました。周囲の人たちも今後、この家族に対してどう接すればいいのか、困惑するのではないでしょうか」
普通に考えれば放送にのせるべきではない告白のようだが、当の日本テレビ側ではどう考えているのだろうか。テレビ誌のライターはこんな見立てを口にする。
「制作側としては、あえて子供の出自を明らかにすることで『周りはこの子を差別してはいけない』というメッセージを発したかったのかもしれない。しかし問題は、この子は自発的な意思で出演したわけではないということ。『24時間テレビ』には多くの障がい者も出演していますが、彼らは自分自身が納得したうえでテレビに顔を出しており、今回の件とは事情が明らかに異なります」
以前から「感動の押し売り」との批判が絶えない「24時間テレビ」だが、ついに「プライバシーの押し売り」にまで手を染めてしまったのか。