デキるビジネスウーマンにとって欠かせないのが「マナー」。個を重んじる風潮が広まり、社内規定もゆるくなってきた昨今だからこそ、ビジネスマナーを身につけているかいないかで、年配者の取引先や上司に与えるイメージは段違い。マナーの欠如は相手に対する礼儀の欠如。誤解を与え、悪印象を持たれてしまっては自分の評価ばかりか、背負っている会社の名まで傷つけてしまうのだ。
とはいえ、難しく考える必要はなく、すべては基本の応用。しっかりマスターして、これからのビジネスシーンに役立てたい。例えば下のパターン。
(1)商談中に電話が切れた場合、どちらがかけ直すべき?
基本的にはかけた側がかけ直すのが礼儀。そして、切れた理由をグダグダ言わず「失礼いたしました。先ほどの件ですが……」と簡潔に内容に戻るのがスマート。
(2)複数の人数で面会したときの正しい名刺交換の順番
まず紹介をする場合、「私どもの上司の××です」と最初に自分の上司を、2番目に「××商事の××様でいらっしゃいます」と相手側の上司を紹介する。そして名刺交換は自分側の上司と相手側の上司の上位者同士から交換していくのが基本。そこから順に下がっていく。上司よりも先に名刺交換するのはNGだ。
(3)謝罪に行った席で出されたお茶は飲んでいいのか?
絶対に飲んではいけない! とまでは言わないが、あくまで謝罪目的のための訪問。先方はマナーとしてお茶を出してはくれるが、こちらの謙虚な姿勢を示すには、口をつけるべきではない。そして、手みやげは帰り際にさりげなく渡す。最初にいきなりでは、物で問題を収めようとしていると取られ、不快感を与えてしまう。
(4)招待状の欠席ハガキに付け加えるオトナな一文
細かく理由を書く必要はない。「先約のため」や「スケジュールの都合のため」など簡潔に。しかし、本当は出席したいという気持ちが伝わるように「次回を楽しみにしております」などと付け加えるとベター。言い訳がましいことは書かず「仕事上の先約がある」など、個人の都合ではなく、やむ得ない理由を強調する。
(5)電話の取り次ぎ「少々お待ち下さい」の少々は何分まで?
待つ身は3倍といい、待つときは長く感じるもの。常識的な範疇で言えば30秒が限界。1分待たされたら、忘れられたのではと不安になる。待たせるときは「少々お待ち下さい」だけでなく、「担当に代わります」「在庫を確認します」と待たせる理由を添えると待つ側も安心。1分以上かかりそうなら「大変お待たせしております」と中間報告を入れ「折り返しかけ直しさせます」と、ひと言告げる。
マナーとは、いかに相手を気持ちよくさせるか。その裏付けを分析することで、多種多様なシーンに対応することができるルールなのです。