LGBT満載のドラマということで話題になっている『偽装の夫婦』(日テレ)。視聴率も好調な数字を出しているが、その恋愛模様は、主役の天海祐希演じる嘉門ヒロが、沢村一樹演じる偽装結婚相手(元恋人)がセクシャルマイノリティーと知っていながら再び恋心を抱きはじめ、また、そんなヒロに内田有紀演じるセクシャルマイノリティーのシングルマザーが思いを寄せるという複雑な状況。
LGBTへの理解度が高まってきたがゆえの、このストーリーなのだろうが、ところで実際に「恋愛対象がかみ合わない」相手に思いを寄せられた場合、皆さんならどうするだろうか。実際に体験した人に話を聞いてみた。
「先日、仕事を通じて知り合った年上の女性に突然キスされてしまったんです」
そう話すのは、32歳女性のYさん。飲みに誘われ、そのまま意気投合して2軒目のカラオケに行ったときの出来事だったという。
「飲んでいるときは仕事の話が中心だったのでわからなかったんですが、カラオケで曲を選んでいるときに突然抱きしめられて、キスをされて。混乱して、固まってしまいました」
男性だったらビシッと抵抗できたけれど、女性にはどうやって抵抗すればよいかわからなかったという。
「後日、『あなたのことが好き』と言われたんで、私は女性は恋愛対象ではないということを伝えました。でも告白されるまで、どうしたらいいんだろうとモヤモヤしましたね」
言葉で言われればきちんと返せるが、そうでない場合はうまい断り方がわからず、悶々とすることになってしまうのかも。
もう一人、告白してきた相手がバイセクシャルだったという26歳の大学院生の女性、Mさんの話はこうだ。
「相手は女装もしている男性。最後に付き合った相手は男性だったと聞いていたし、どちらかというと心は女性よりなのかなと思っていたので、付き合ってと言われて驚きました」
ルックスもやや好みで、友達としてはいい付き合いができていたという相手なだけに、付き合うかどうか悩んだというMさん。
「正直、カレシが女装しているという状態や、男性とも関係があったということを考えてしまうと、好意はあっても恋愛感情にたどりつかなかったんです。ただ、優しい人なので、つらいときにそばにいてほしいなとは思って‥‥」
結局、引き続き友達でいさせてほしいと伝えたというが、
「断ってしまったことで、自分が偏見を持っているのではないかと思えちゃって」
しばらく自己嫌悪に陥ってしまったという。
自分や相手のセクシャリティに関係なく、人として誠意を持って対応するのが一番。そうわかっていても、経験を積まないと難しいのかもしれない。