シニアデビューとなったGPカナダ大会の女子シングルSPでミスを重ね、52.60点で12人中10位という屈辱の結果となった本田真凜選手。FSでは驚異の125.64点をあげて総合で5位となったが、スケートファンの間では「やっぱり」の声があがっているという。
「温厚な浜田美栄コーチがSP終了時点で『この結果に驚きません』と言っていましたが、なるべくしてなった結果という声が大きいですね。本田選手は8月になってから、コーチの車の中で聞いた曲に心打たれ、SPの選曲を変えたんです。今回SPで滑ったのは、9月下旬に振付けをしてもらったばかりの『ザ・ギビング』の新プログラムで、GPシリーズ初披露でした。けれどもジュニア戦とは演技時間も審判の厳しさも異なるシニアの大会のデビュー戦。それだけでも万全を期したいうえに五輪年のGPシリーズです。羽生結弦選手のように、かつて滑ったことのある曲でより完成度を追求する選手も少なくなく、どの選手もいつものシーズンに増して滑り込んで迎えるシーズン。それなのに、練習期間がわずか1カ月しかないタイミングで曲目変更をすることに、危惧する声があがっていました」(スポーツライター)
通常、5月から6月に振付けを終え、3カ月くらいかけて試合レベルまで磨いていくものを、わずか1カ月の突貫工事。コーチは反対しなかったのだろうか。
「浜田コーチは今回、本田選手の練習不足を指摘するだけでなく『私は近所のおばちゃんでなくコーチ』など、試合後に手厳しいコメントをしています。本田選手が浜田コーチの助言に耳を傾けず、好きなようにやってきたところもあるのでしょう。浜田コーチも本田選手に反対し、無理に従わせることよりも、自分で失敗して感じることのほうが重要だと考えたのではないでしょうか。また、練習嫌いの本田選手だけに、SPの曲目変更で、短期間に集中して死にものぐるいで練習するなら、そのほうが効果的とも考えたのかもしれません」(前出・スポーツライター)
まだシーズンは始まったばかり。今回ため息をついたファンを再び振り向かせるためにも、本田選手には大いに練習し、今度の試合ではSP、FSとも素晴らしい演技を披露してもらいたいものだ。
(芝公子)