11月10日に開幕するフィギュアスケートGPシリーズのNHK杯。日本からは羽生結弦選手、佐藤洸彬選手、村上大介選手の3名が出場予定だったが、村上選手の欠場が日本スケート連盟から発表された。
「村上選手は幼い時にアメリカに移住し、06年まではアメリカ選手として活躍。浅田真央がアルトゥニアンコーチのもとで練習していた時に、浅田のお母さんから日本の選手として出ればよいのにと勧められ、所属を日本に移しました。以後は度重なるケガと戦いながら頑張ってきたんです。転籍のため国際試合に出場できない期間があり、08年から09年にやっと出られた全日本ジュニアでは3位、全日本選手権でも5位と将来を嘱望される好成績を残しました。しかし、その翌年は成績が奮わず、全日本選手権では19位。そこから少しずつ調子を上げ、下位大会で優勝していよいよという12年、NHK杯の前日練習で右肩を脱臼し、試合には強行出場したものの途中棄権を余儀なくされた。翌年はGPシリーズ不参加とアクシデント続きの苦労人なんです。そんな村上がソチ五輪の翌年、GPシリーズNHK杯では羽生選手を抑えて優勝。15‐16年のGPシリーズでもカナダ大会、フランス大会で3位を獲得。GPファイナルにも出場し、再起からの活躍が期待されていました」(スポーツライター)
それが、昨年は足の故障で1年間休養をせざるをえず、今季こそと復帰を心待ちにされていたのだが、ここにきてのNHK杯欠場。特に今年は羽生選手、宇野昌磨選手に続く選手として、平昌五輪の3枠目を狙えると注目されていた。
「3枠目は全日本選手権の結果次第ですから、早く体を治して、満を持して好成績を残してほしいですね」(前出・スポーツライター)
なお、村上選手の代わりにはシニアデビューしたばかりの友野一希選手がエントリーされている。若手にGPシリーズ体験のチャンスが与えられたことはうれしい限りだが、村上選手にはあきらめず、全日本に向けて頑張ってほしい。
(芝公子)