車の助手席で道案内しているときに、右に曲がって欲しいところで「次の信号を左」と言ってしまい、車が左折するまで「右と伝えた」と思い込んでいた……という経験はないでしょうか?
「右と左をとっさに間違えてしまうことを『左右誤認』などと呼んでいます。病気ではないので、正式な名称はないのですが、例えば、エレベーターに乗った際、「開」と「閉」を間違えてしまったり、エスカレーターのことをエレベーターと言ってしまうこともメカニズム的には一緒です。理解はできているのに、瞬間的に判断ができずに迷ったり、間違えてしまうというわけです」(心理カウンセラー)
一説には、左利きを右利きに矯正した人に多いとか。字を書くのは右、ボールを投げるのは左というような「使う手」が混ざってしまっている人もなりやすいらしい。
「世界的には全人口の10%ほどが、左利きとして生まれてくるそうですが、日本は『書』の文化ですし、例えばハサミなどの日用品の構造、自動改札機をタッチする位置など、左利きだと不便も多いため、幼いころに矯正されたことを覚えていないまま大人になっている人も多いのではと考えています」(前出・心理カウンセラー)
こうした「潜在的左利き」を見分けるひとつの方法は以下。当てはまるものがあれば、本当は左利きだったのかも知れません。
●歯を磨くとき、左手のほうがやりやすい
●ホウキを持つときに左手が上になる
●栓抜きは左手のほうが開けやすい
●ラクに引き出しを左手で開け閉めできる
「男性は子供の頃からスポーツを通じて左右を判断する機会があったり、TVゲームのコントローラーで正しく左右の認識ができている一方、女性のほうがそういった機会が少ない上、鏡を見ている時間が長いことも重なり、左右誤認になりやすいともいわれています。日常生活においては、それほど困ることもないですが、前述のように車の運転中に『右、いや左!』となってしまうと事故につながる可能性もあるのでとても危険。普段から、右、左を強く意識しながら生活する習慣をつけて、とっさのときに慌てないようにすることが肝要です」(前出・心理カウンセラー)
三時の方向は左右どっち?一瞬でも「左?」と思ってしまった人は要注意です。