昨年末のフィギュアスケート全日本選手権終了後、日本スケート連盟から18年平昌五輪の日本代表選手が発表された。それを受けて、元フィギュアスケート選手・小塚崇彦が語ったコメントに多くのスケートファンが注目したという。
「特別なコメントをしたわけではありませんが、レギュラーで寄稿している文章の中で、今回の選考、特に女子の代表選考がいかに厳しかったかを評していたのです。これまでの実績を勘案するなら樋口新葉選手、全日本選手権の結果でいえば坂本花織選手だったとして、今回は全日本の結果が重視されたと分析。そのうえで、『全日本という大会が日本人選手にとって価値のある大会だということが認められ、個人的にはうれしく思う』と言葉を結んでいました」(スポーツライター)
前回のソチ五輪の際、男子は羽生結弦、高橋大輔、町田樹の3選手が選ばれ、小塚は落選している。実はこの五輪直前の全日本選手権で、小塚は高橋を抑えて3位に入っていた。全日本重視での決定であれば、代表は小塚のはずだったのだ。しかし、スケート連盟はそのシーズン、中国大会3位とアメリカ大会6位の小塚ではなく、中国大会4位とアメリカ大会1位と「実績のある」高橋大輔を選んだ。
「当時、悔しい思いを味わった小塚でしたから、今回のコメントの『全日本の価値が認められた』や『個人的にうれしい』というあたりに、ファンは小塚の無念をあらためて感じさせられたんです」(前出・スポーツライター)
五輪の代表選考にはどのスポーツでも悲喜こもごものドラマがある。生まれ年の巡り合わせや強豪選手がいる時期など、運命に左右されることもある。平昌五輪に出場する代表選手たちには、そんな選出されなかった選手たちの思いも受けとめて、おおいに活躍してほしいものだ。
(芝公子)