1月6日放送の「人生最高レストラン」(TBS系)にゲスト出演した中井貴一が、役者になったきっかけを語った。
中井のデビュー作は1983年公開の映画「父と子」。撮影のスタート時に父親役の俳優・小林桂樹から将来について聞かれ、「お前は平凡な顔だし、役者には向いていないと思う。自分が紹介できるのは広告代理店くらいだが就職したらどうか。撮影が終わるまでにどうするか考えてみなさい」と言われたのだという。中井は考えたうえで、役者は向いていないと思い撮影終了後、小林に就職の紹介をお願いすると、小林から意外な言葉が返ってきた。
「これからの時代は個性派が主役になる時代がやってくるが、中井のような正統派の俳優がいないと成り立たない。中井ならそんな正統派の俳優になれるから役者の王道を歩めと言われたのだそうです。その言葉をきっかけに、中井は俳優の道を選んだのです」(芸能ライター)
中井の父、佐田啓二は中井が3歳になる前に亡くなっている。佐田と年齢の近い小林は、父親のような気持ちで中井に接していたのだろう。そして、この時の小林の言葉がなければ、俳優・中井貴一は誕生しなかったのかもしれない。
(伊藤その子)