フィギュアスケートGPシリーズNHK杯は、優勝を期待された浅田真央選手が総合3位、昨シーズン世界選手権2位の宮原知子が優勝という結果となった。
フランス大会で優勝したものの、まだ完璧な演技を披露できなかった浅田選手が、さらに磨きをかけた演技を披露して優勝を飾るだろうというのが大方の予想だった。
「なかには、羽生結弦選手の世界歴代最高得点の実現より、確実性は高いと言い切る記者もいたほど。結果はご存じのとおり、浅田選手にはとても残念な結果になりましたが、スケート連盟には結果オーライな部分もあったのではないでしょうか」
と言うスポーツ紙記者がこう続ける。
「今回のNHK杯でグランプリシリーズの全試合が終わり、この結果を受けて上位6選手にグランプリファイナルに出場する権利が与えられます。中国杯で優勝した浅田選手に比べ、宮原選手はアメリカ大会3位。グランプリシリーズ出場の目安は22点前後とされ、11点の宮原選手はギリギリのところでした。今大会で浅田が1位だったら宮原は2位が絶対条件。3位に入ってもファイナル出場は微妙だと記者の間で話していたのです」
結果は浅田選手が優勝と3位で26点、同じく宮原も26点で両選手のファイナル出場が決定。中国大会で2位だった本郷理華はロシア大会5位で、残念ながら出場は果たせなかった。
「昨年、ファイナルに出場できた本郷が今季飛躍的に成長したように、ファイナルへの出場は選手にとって大きな糧となります。連盟としては一人でも多くの選手を送り出したかったはずです」(前出・スポーツ紙記者)
大人の事情はともかく、ファイナルでは両選手におおいに活躍してもらいたいところだ。
(芝公子)