「うちの子、まだ指しゃぶりをしている……」「もうすぐ小学校に入学するのに、このままで大丈夫かしら?」「もしかして、不安やストレスを溜め込んでいるのでは?」
自然と卒業する子も多い「指しゃぶり」。筆者は小学校入学直前までしていたような気がします。「指しゃぶり」=「ストレスや不安が大きい」と言われることもあるようですが、心配し過ぎる必要はありません。子育てにかかわる原稿を数多く執筆してきた筆者が、園児を対象にした教室での経験やお母さまの声から、「指しゃぶり」の意味と卒業させるコツをご紹介します。
子どもが指をしゃぶる理由は一つではありませんが、大きな理由は「安心するから」。なかなか指しゃぶりを卒業できない理由には、安心している状態が心地よくていつまでもやっていたいと思っているケースや、不安なことがあって心を落ち着かせるために行っているケースがあります。
恐怖や不安を感じたときに指をしゃぶって縮こまっているような場合は、環境を見直して心のケアをしていく必要があるでしょう。そうではなく、日常的に行なっている場合は、とくに心配は不要です。筆者もかなり大きくなっているのに指しゃぶりをしている写真を持っていますし、小学校高学年になっても指をしゃぶっている、という子を見たことはありません。
■子どもと一対一で過ごす時間をつくる
もちろん、安心を求めてしゃぶっている以上、どこかに不安を抱えていたり、心の拠り所を求めている、というケースが多いです。
気になる場合は、毎日の中に短時間でいいので、子どもと一対一で過ごす時間をつくりましょう。愛情をたっぷり注がれて育っていること、言いたいことを聞いてくれる心の拠り所があることを子どもが実感することで、自然と卒業できるケースもあります。
■“大人になる儀式”をつくる
「またしゃぶってる!」「やめなさいって言ったでしょう!」と叱ってばかりいると、隠れて指をしゃぶるようになったり、不安で悪化したりすることも。
叱るのではなく、「今4歳の、お隣さんちのお姉ちゃん、指しゃぶりを卒業したんだって~!」「5歳になったら、指しゃぶりを卒業してお兄ちゃんになろうか!」など、子どもが「自分もやめてみようかな」と思える声かけをしてあげましょう。そうすることで、子どもが指しゃぶりを“大きくなったらやめるもの”だとわかるようになりますよ。
自分からやめるきっかけをつくれるようにサポートすると、子どもはスムーズに指しゃぶりを卒業することができます。まずは、ギュッと抱いて安心できる環境をつくって、お話ししてあげてください。
(Nao Kiyota)