広瀬すず主演ドラマ「anone」(日本テレビ系)が3月21日に最終回を迎え、平均視聴率は5.6%。演技派俳優として定評のある小林聡美、阿部サダヲ、瑛太、田中裕子らを配し、人気脚本家の坂元裕二氏作品としては、苦々しい結果に終わった。
物語は、日雇いアルバイトをしながらネットカフェで寝泊まりしていた孤独な少女・ハリカ(広瀬)が、かつて夫と林田印刷会社を経営していた亜乃音(田中)と知り合い、共に生活を始める。そこに、るい子(小林)と舵(阿部)が加わり、疑似家族のように暮らすのだが、林田印刷のかつての従業員・中世古(瑛太)に偽札製造を持ちかけられる。
最終回では、病気の舵を看取ったるい子とハリカは自首。亜乃音も逮捕されるが、中世古に脅されて犯罪に加担したことは、伏せていた。刑期を終えたハリカに説得された中世古は、自首。ハリカと亜乃音、るい子と幽霊になった舵は再び生活を共にする。
この展開に視聴者からは「広瀬すずちゃんの演技の幅に改めて感服」「登場人物が皆、救われてたのがよかった」など、好意的な感想がある一方、「何故か急いだ感じ。結果は同じでももう少し丁寧に描いて欲しかった。阿部サダヲのオバケ、必要だったのか?」「擬似家族の絆を描くヒューマンドラマと偽札造りの犯罪ドラマがどっちつかずの中途半端な感じ」など不満を漏らす向きもあった。
「坂元作品は、人の心理を行間で描くことが多く、ある意味難解な部分もある。それでも、心に響くセリフがちりばめられていて、視聴者を感動させてきました。ですが、2015年の『問題のあるレストラン』(フジテレビ系)以降、平均視聴率は10%に届いていない。今回の6.1%は危機的数字です」(芸能記者)
脚本自体が難解さを増しているのか、坂元作品人気に陰りが出ているのは間違いないようだ。