元横綱の日馬富士に端を発した大相撲の暴行問題。被害を受けた貴ノ岩の問題に絡み日本相撲協会の対応に疑問を持ち、内閣府の公益認定等委員会に告訴状を提出した貴乃花親方だったが、それを取り下げた。理由はもちろん、自身の弟子である十両・貴公俊が、付け人の力士に暴力をふるったからだ。
貴乃花親方は「自分の弟子のことで、これだけ協会に多大なご迷惑をおかけしたのは事実ですので、私は一兵卒で精進していくという気持ちに新たになってます」と語っている。
このニュースは、3月23日放送の「ひるおび!」(TBS系)でも取り上げられた。貴乃花擁護の先鋒者として知られる同番組のレギュラーコメンテーターで落語家の立川志らくは「(告訴状を)そのままでも叩かれるし、取り下げても“信念がない”と叩かれる。でも、ここは一歩引いて出直すのはいいこと」と評価。続けて「30年後には、国技館に貴乃花親方の銅像が立つかもしれない。親方の相撲道は揺るぎない。歴史を動かすのはいつも変人と呼ばれている人」と持論を述べた。
「自身の弟子が暴力問題を起こしたことで貴乃花親方へのバッシングが高まっていますが、それによって相撲協会が抱える問題に蓋をされてはいけない。貴乃花親方の信念は、現役時代から貫いてきたガチンコ相撲。そのことが面白くない者が協会や力士の中にいることが、そもそもの対立の図式。貴乃花親方は『皆さんと協力して』と恭順の意を示していますが、彼が提起した問題が闇に葬られないか心配です」(スポーツライター)
振り上げた拳を降ろさざるを得なくなった貴乃花親方。まずは、自身の部屋の基盤を盤石なものにすることが肝要なようだ。