俳優の加瀬亮が現在の所属事務所・アノレから独立していたことが4月13日付の一部スポーツ紙で報じられた。事務所側では3月いっぱいに加瀬が円満退社したと明かしているという。
加瀬は事務所の先輩である浅野忠信の付き人から芸能生活をスタートし、映画を中心に活躍。連続ドラマへの出演が少ないため知名度は高くないものの、独特な存在感と演技力により実力派俳優としての評価は高い。それゆえ独立して個人事務所を立ち上げても仕事への影響はないと見られているが、その一方で安易な独立は俳優にとって不利に働くケースが多いという。芸能事務所関係者が明かす。
「加瀬の場合は映画の仕事がメインなので影響は少ないのですが、テレビドラマがメインの俳優だと、事務所からの独立は相当にリスクの高い選択となります。というのも事務所に所属していない場合、ドラマのキャストに選ばれる可能性がグッと下がるからです。それは決して事務所の力関係の問題だけではありません。個人事務所の俳優だとそもそも、キャストの候補にあがる可能性が少なくなりますからね」
ドラマのキャストを決める場合、制作サイドから各事務所に対してオーディションが告知される。ドラマ制作部の壁に張り紙が掲出されたり、告知用紙を置く箱があったりして、それを見た事務所だけがオーディションに参加できるというケースも少なくないというのだ。
「大ヒットドラマ『半沢直樹』(TBS系)では、役柄や役名を明記せずに『演技の上手な役者を求む』とだけ書かれていたというエピソードが知られています。これがきっかけで選ばれたキャストには、おねえ風のしゃべりが印象的な金融庁主任検査官を務めた片岡愛之助の名前も。その愛之助も大手事務所の松竹エンタテインメント所属ですから、この役にたどりつけたわけです」(同・芸能事務所関係者)
事務所との相性が悪いと思っている俳優も、加瀬ほどの実力がない限りは、安易に独立を考えないほうがよさそうだ。
(白根麻子)