元女子バドミントン選手の潮田玲子が福島県相馬市で行われたスポーツイベントに参加したのは3月18日のこと。東日本大震災の復興事業の一環で、主催者である地元企業、NPO法人などから招かれ、約60人の小学生を相手に「バドミントンのコツ」を指導した。
「トランポリン日本代表の外村哲也さんやサッカーの元日本代表・福田正博さんらも参加しましたが、潮田さんは終始、笑顔。やはり、二児のお母さんなので子どもたちとすぐに打ち解けていました」(地元関係者)
イベント終了後、小学生たちは講師役のアスリートたちに整列してお礼を述べた。その直後、“彼らの偉大さ”を知る保護者も駆け寄って、握手や記念撮影を求めた。アスリートたちは気さくに応じていたが、子どもたちはちょっと遠慮ぎみ。しかし、潮田に対してだけは違った。指導中から打ち解けていたからだろう。子どもたちは自分の意思で潮田のもとには集まり、サインを求めたのだ。
「一人一人、丁寧にサインをしてくれました。子どもたちも一列に並んで」(前出・地元関係者)
潮田のサインを求める行列は減らない。むしろ、増えていく。主催関係者は「そろそろ…」と終了を促したが、「サイン求められているうちが華だから」と潮田は微笑み、最後の一人までそれに応じてみせた。
「オグシオ」が脚光を浴びたのは10年前。子どもたちはその活躍を知らない。彼女の人柄に感激した関係者も多かったが、「求められているうちが華」発言は、ちょっと切ない。
(飯山満)